政府/17年度版国土強靱化行動計画素案/首都直下・南海地震対策を強化

 ◇河川堤防の整備目標追加
 政府は24日、5月下旬にも決定する17年度版の国土強靱(きょうじん)化行動計画の素案をまとめた。官民で優先的・重点的に推進する最新の防災・減災施策とその目標値に当たる重要業績指標(KPI)を設定。今回は首都直下地震と南海トラフ巨大地震への対策強化を目的に、河川堤防整備などの津波対策を中心とする計16施策とそのKPIについて追加や現行目標値の拡充などを行う。
 国土強靱化行動計画(アクションプラン)は、13年12月に施行された国土強靱化基本法に基づいて作られ、毎年度見直している。今回は3回目の改定。昨年5月に作った16年度版行動計画では、15年9月の関東・東北豪雨を教訓にした施策を充実させていた。
 17年度版計画の素案では、新たに2施策とそのKPIを追加するほか、現行の14施策とそのKPIを見直す。このうち、施策とそのKPIの見直しでは、今後30年以内に70%の確率で発生が予測される首都直下地震と南海トラフ地震への対策強化を目的にした施策の内容や目標値を拡充するのが特色だ。
 例えば、両地震の発生で太平洋沿岸部に甚大な被害が懸念される津波・高潮災害対策を拡充する。現行計画では国土交通、農林水産両省が中心となり、計画高までの整備と耐震補強を柱とする海岸堤防の整備についてKPIを設定して推進しているが、17年度版では新たに河川堤防の整備とそのKPIも追加する。具体的には、太平洋沿岸部などでの河川堤防の整備率を20年度までに15年度の約42%から約75%へと高める目標値を設定する。
 このほか、農水省所管の農道・林道や水利施設といったインフラの整備や維持管理に関する施策と目標値の拡充を行うのも特色だ。
 16年度版計画で追加した農道・林道の老朽化対策としての点検・診断実施割合については、現在までにすべての農道橋と農道トンネルで実施されたことを踏まえ、17年度版計画では新たに20年度までに機能保全計画の策定完了目標を追加する。
 さらに、直接的に関係するKPIの追加や見直しは行わないが、昨年4月の熊本地震を教訓に市町村庁舎の耐震化などの施策も充実させる。
 政府は25日にも、素案に対する一般からの意見募集を始める。
 《17年度版行動計画で追加・変更予定の主な施策とKPI(目標達成年度)》
 ■追加
 △水産物流通拠点の漁港のうち、災害発生時に水産業の早期回復体制が構築されたストック割合=現状値未算出→30%(21年度)
 ■変更
 △首都直下・南海トラフ両地震の被災想定地域での海岸堤防整備率=整備対象施設に河川堤防追加、現状値約42%→約75%(20年度)
 △農道・林道の点検・診断実施割合(現状値農道100%、林道52%)=農道・林道の機能保全計画策定割合、現状値未算出→100%(20年度)
 △基幹的農業水利施設の機能保全計画策定割合(現状値71%)=基幹的農業水利施設の機能保全対策着手率、現状値未算出→約5割(20年度)
 △製油所を考慮した港湾の事業継続計画(BCP)策定率(現状値7%)=製油所・油槽所を考慮した港湾のBCP策定率、現状値未算出→100%(18年度)

(日刊建設工業新聞様より引用)