新日本建工/事故防止システム開発へ/芝浦工大・蟹澤宏剛教授と共同研究

 地域の専門工事会社が担い手確保の一環で、現場の安全作業につながるシステムづくりに乗り出した。高松市を拠点に活動する内装施工の新日本建工(岡村真史社長)が芝浦工業大学の蟹澤宏剛教授との共同研究で、人工知能(AI)を搭載した「職人事故防止システム」を開発する。不安全行動が見られる職人を特定し、正しい行動を取るよう注意を促すことを想定。入職促進のPRにも生かす方針だ。
 現場では、朝礼時に日々の作業を想定したKY(危険予知)活動が行われるが、夏場や冬場の過酷な条件下では、注意力が持続しない可能性がある。そうした場合に職人の行動を補完するのが、同社と蟹澤教授が共同で開発するシステムだ。
 高所作業などを伴う現場で実践するべき動きをあらかじめAIに記憶させておき、事故につながりそうな動きを察知した段階で、職人に注意を促す。同時に周囲の人たちにも、職人に危険が迫っていることを伝える仕組みをつくり、現場全体で事故防止に取り組めるようにする。
 新日本建工は、高松市内の内装・設備10社と共同で廃校を活用した職人育成塾を昨年10月に開校。岡村社長が同名の一般社団法人の代表理事を務めており、建設産業に興味と誇りを持って入職しようとする人たちに門戸を開いている。
 こうした活動の中で、建設産業には依然として入り口段階で3K(きつい、汚い、危険)のイメージがつきまとい、入職の阻害要因になっていることを実感したという。
 業界の自助努力で負のイメージを払しょくできなければ、若い人たちの入職を後押しするのは難しいと考え、事故防止システムが必要と判断。岡村社長が自ら、「蟹澤先生に提案し研究開発に共同で取り組んでもらえるようお願いした」。同システムを用いて現場が安全というイメージが示せれば入職促進に役立つ上、現場の生産性向上や職人育成にも有効なツールになるとしている。
 蟹澤教授は、「現場に潜む危険を排除することは担い手確保に重要」との考えから、同社の提案に賛同。「現場の実態を詳細に把握しながら、具体的な手法を提示できるようにしていきたい」と語っている。
 システムは1年後をめどに現場導入を目指す。同社だけでなく業界内に広く展開し、事故防止と担い手の確保に役立ててもらいたいという。

(日刊建設工業新聞様より引用)