新菱冷熱工業、産総研/空調風量計測にドローン活用/GPS使わず快適操作

 新菱冷熱工業と産業技術総合研究所(産総研、中鉢良治理事長)は22日、建物内でドローン(小型無人機)を活用し、設備工事の生産性を高める基盤技術の共同研究開発の初弾として、天井に設置された空調の吹き出し口(制気口)の風量測定作業を代替する「風量測定用ドローン」を開発したと発表した。両者は今後、自律的に飛行し、設備の遠隔監視や各種作業が行えるドローンの研究を進めていく。
 風量測定用ドローンは、画像処理による飛行技術を使用し、GPS(衛星利用測位システム)を使わずに操作できるのが特徴。これによりGPSの電波が届きにくい屋内環境でも快適な操作が可能になるという。
 風量測定には集風型風量計を使用。制気口から吹き出された空気をフード付きダクトで集め、風速計で風量を測定する。風量測定装置に新菱冷熱工業が独自に開発した機器を採用したことで、ドローンのプロペラから発生する気流の影響を受けずに正確に風量を測定できる。
 ドローンの形状にも工夫を凝らした。一般的なドローンは安定飛行のため搭載物を中央に集め、重心が機体の中心となるように設計するが、風量測定用ドローンは、風量計を中央部に搭載することから中心にスペースを設ける必要があるため、フレームを井形構造にして風量計の設置スペースを確保。バッテリーなどの搭載物は重量バランスを考慮し、周囲に配置した。
 高さ3・5メートルにある制気口の風力測定を行う実証実験も実施。従来通り仮設足場を使用した作業では、1カ所当たり5分を要したが、風量測定用ドローンでは、仮設足場を使用しないことなどから1~2分で作業が完了したという。このほか機材の運搬や設置、他の制気口への移動など、作業時間やコストも大幅に削減でき、ドローンを用いる優位性は高いことを確認したという。
 両者は、屋内工事の作業をドローンで代替することで、作業時間の短縮や仮設費の削減、安全性の向上が期待できるとみて、今後も開発を進めていく考えだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)