日建連新任首脳に聞く/会長・山内隆司氏/誇り持って働ける産業目指す

 ◇評価を高めるのが会長の役割
 3代目の会長として日本建設業連合会(日建連)のかじ取りを担う。足元の建設投資は堅調に推移しているが、生産年齢人口の減少を背景に、担い手の確保・育成と生産性の向上が大きな課題として目の前に立ちはだかる。「誇りを持って働ける産業」が目標。早速その手腕が問われる。
 --就任の抱負を。
 「建設業の評価を高める努力をしたい。その手段として、週休2日の実現や社会保険加入の徹底といった一連の働き方改革がある。政府と一緒にオールジャパンでインフラ輸出に努力することも評価を高めるだろう。国内外で建設業の評価を高めるありがたいチャンスとして、2020年東京五輪も迫っている」
 「働く人が誇りを持って仕事に従事できるようにすることが大事だ。手段、方法は状況によって変わるだろうが、評価を高めることが会長としてやるべきことだと考えている。若い技術者・技能者と入職を希望する人には、形になって何百年と残る建設業の仕事の素晴らしさを伝えたい」
 --働き方改革への取り組みは。
 「時間外労働の上限規制の導入をめぐって、猶予期間を頂きながら最大限の努力をすると石井啓一国土交通相に申し上げてきた。現場への週休2日制の導入は難しいと言われるが、『できない』と言ってばかりでは前に進まない」
 「もちろん顧客の立場からすると、完成の遅れは投資に対するリターンの遅れを意味することであり、簡単ではないが、週休2日にしなければ技術者も技能者も後継者が見つからないというのも現実だ。まずわれわれから自助努力をする」
 --担い手の確保には賃金面の処遇改善も欠かせない。
 「建設業全体の年収は製造業に劣っている。日給制技能労働者の1日分の手当は『高い』と言われることがあるが、建設現場は天候などさまざまな条件に左右されるので、1カ月の稼働日数が20日を下回ることもある。年収を改善し、給与に魅力を感じてもらわなければ人は集まらない」
 「仕事が多い今は改善に取り組む好機だ。関係者の理解を頂きながら、改善の動きを定着させたい。社会保険料を支払えないような金額で無理に工事をさせられているわけでもない。状況が悪化すれば団体としてお願いに動くことになろうが、まずは自助努力を前提に対応する」
 --技能者の技量や経験を登録・管理する「建設キャリアアップシステム」の構築が進んでいる。
 「社会保険の加入状況を把握でき、証明しにくかった技能者のキャリア、働きぶりの評価、ひいては処遇の改善につながるだろう」
 --国内の建設市場の先行きをどう見ている。
 「東京五輪後も仕事は急には減らないだろうという見方もあるが、不況になれば、計画されていた投資が実行されなくなるリスクがある。市場が縮小した時に懸念されるのがダンピング受注だ。節度を持った対応を続けていくことが必要だ」
 「ただ、業界全体が同じように成長することを期待できる時代ではない。各社が市場の縮小も見込んでしっかりとした方策を立てていく必要がある」。
 69年東大工学部建築学科卒、大成建設入社。07年社長、15年代表取締役会長。09年旧建築業協会会長、11年日建連副会長建築本部長、17年4月から現職。岡山県出身、70歳。

(日刊建設工業新聞様より引用)