日建連新任首脳に聞く/週休二日推進本部長・井上和幸氏/業界守るために大改革に挑戦

 ◇生産性向上は顧客にもメリット
 現場の土曜閉所を原則とする週休2日の普及・定着を目指し、会員企業が一丸となった取り組みを開始した日本建設業連合会(日建連)。旗振り役となる「週休二日推進本部」の本部長として、「業界を守るために大きな改革に挑戦する」と強い決意で臨む。
 --週休2日の必要性をどう認識している。
 「建設業の年間総実労働時間は全産業の平均より約300時間も長い。若い人の価値観が変わり、土日休みが前提の仕事に就きたいと考える人は少なくない。この思いは、現場の外勤職員だけでなく、内勤職員、技能者にも共通する」
 「日建連は技能者がこの先10年で3分の1程度減少すると予想している。長時間労働を是正する政府の働き方改革が始動した。生産性向上や国際競争力の強化といったニーズもある。他産業並みの週休2日を実現することで、建設業は若い担い手を確保するためのスタートラインに立てる」
 --推進本部の活動への期待は大きい。
 「年内に行動計画を策定する。会費ランクごとに各社の土木、建築の首脳がメンバーとなっており、日建連の『本気度』が伝わると思う。建設業にも時間外労働の上限規制が適用されることになった。(法改正を含め)適用までに約7年の猶予がある。土日に休むためにほかの曜日の労働時間が増える懸念があり、週休2日を5年で定着させ、残り2年を規制に適応するための期間に充てたい。週休2日対応の工事発注など政府が追い風を吹かせてくれている。千載一遇のチャンスだと思って対応を加速させたい」
 --週休2日はこれまでも必要とされながら難しい課題だった。
 「工期が延びることをどう理解していただくかが課題だ。国土交通省の週休2日モデル工事で課題を洗い出しながら解決に取り組んでいく。稼働日の実態や天候の影響など実情を受発注者で検証するのが第一歩だ。例外なしの土日閉所が現実的には難しい仕事があり、確実に休める風土、制度を整える必要もある」
 「仕事が週6日から5日に減ることで日給制の技能者の生活レベルが低下したら、働き手がいなくなる。ただ、減収分の労働賃金を価格に転嫁するのなら、その前に生産性を大幅に高めることが必要だ。顧客になるべく迷惑を掛けずに費用をどう賄うか、知恵を出したい」
 --働き方改革とどう向き合う。
 「良いものを適正価格で早く提供するという建設業の精神は未来永劫(えいごう)変わらない。働き方改革は、所定内労働時間で効率よく働くこと。生産性を高め、良いものを適正な工期で造ることは顧客のメリットにもなると説明している。業界のチャレンジを理解していただくための宣伝も重要になるだろう」
 「個々の企業の判断は尊重すべきだが、個別の企業の活動だけでは業界を守れない。技能者が『あの現場は土日稼働だからやめようよ』という時代になるまで挑戦を続けなければ、国の安全・安心を担う建設業のパワーが落ちてしまう。国内建設事業の4分の3を担う日建連の会員以外の建設会社や関係団体の協力も欠かせない」。=おわり
 81年早大大学院理工学研究科建設工学修了、清水建設入社、16年社長。17年3月から現職。東京都出身、60歳。

(日刊建設工業新聞様より引用)