日建連/会員企業に職員の賃上げ要請へ/担い手確保へ異例の措置

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、会員企業に職員の賃金を引き上げるよう要請する方向で最終調整に入った。これまで協力会社の建設技能者については処遇改善を要請してきたが、会員企業の職員の賃上げを求めるのは初めて。施工管理に携わる技術者をはじめとする担い手確保に、より前向きに取り組むよう促すことなどが狙い。3%の賃上げを呼び掛ける経団連の判断も踏まえた。
 引き上げの最終的な対応は各社に委ねる。日建連はこれまで、給与体系や労使の問題への言及を避けてきており、賃上げ要請は「異例の取り組み」(首脳)となる。要請を巡っては、山内会長に方法や内容は一任することを決定済みで、中身の詰めを急ぐ。早ければ2月の理事会で会員企業に伝える見通し。
 生産年齢人口が減少し、若い人材の獲得競争が激しさを増している。会員企業の中には、月例賃金に関し、14年以降ベースアップ(ベア)を実施している社が目立っている。17年の労使交渉でも、会社側からベアを逆提示したり、4桁以上の水準のベアに踏み切ったりした社がある。時間外労働の罰則付き上限規制の導入を控え、所定外労働が減って結果的に賃金が減少することを懸念する見方が一部にある中でも、賃金の改善に向けた会社側の前向きな対応に期待を寄せるゼネコンの労働組合関係者は少なくない状況にある。
 18年の賃金交渉に当たり、ゼネコンの労組で構成する日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、久保田俊平議長)は、前年と同等以上の一時金とともに、組合員が働き方改革に高い意識を持って取り組めるよう、ベア重視の月例賃金引き上げを5年連続で求める方針を決めた。
 日建連会員企業には「収益は一時金で分配したいのが経営者の本音」(大手ゼネコン首脳)という意見があるものの、日建協の加盟35組合のうち31組合の所属会社が日建連の会員企業となっており、賃金交渉の行方が注目される。

(日刊建設工業新聞様より引用)