日建連/会員企業の生産性、15年度は8・7%アップ/発注者に適正工期期待

 日本建設業連合会(日建連)は、16年4月に決めた「生産性向上推進要綱」に基づく取り組み状況(フォローアップ)をまとめた。技術者・技能者の1日8時間当たりの完成工事高から生産性を評価する指標を採用しており、それによると会員企業の15年度の生産性は全体が前年度比8・7%増の9万2139円、土木は8・9%増の9万3278円、建築は8・5%増の9万0874円となった。
 要綱には、土木、建築と、その両分野共通それぞれの生産性向上の取り組みを列挙してある。そのフォローアップを行ったのは初めてで、日建連と会員企業の対応をアンケート結果などに基づいて15年度の生産性や16年度の状況などをまとめた。
 生産性の数値は、過去10年分を算出した。それによると12年度以降は上昇傾向にあり、08年秋のリーマンショックの前の水準に戻った。日建連の取り組みについては、土木分野でICT(情報通信技術)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)に積極的に取り組んでいる企業が15年度の45社から52社に増えた。建築は「適正工期算定プログラム」を活用している会員企業が76社、国・自治体が324者となった。
 会員企業では、生産性向上を経営の重要課題に位置付けたのが12社増えて68社となった。分野別の対応を見ると、共通は「施工管理の強化(手戻り、手直しの解消)」、土木は「ICT・CIMの活用」、建築は「設計段階での施工性・生産性の考慮」を挙げる会員企業が目立った。プレキャスト(PCa)化や3次元測量などの適用が進んでいるものの、PCa部材の材料費・運搬費の獲得や、ICT関連の知識が豊富な人材の不足が課題になっていた。生産性向上を加速させる上での発注者への要望は、土木・建築とも「適正工期の確保」がトップ。土木は積算の対応や書類の簡素化・削減、建築は「設計段階での効率的な工法の採用」が多かった。
 会員企業の生産性については、現場の生産性の実態に近い数値を求めるため、企業全体の人件費や営業利益が考慮される「付加価値労働生産性」での算出を避けた。数値は完成工事高と技術者・技能者の災害統計上の延べ労働時間から算出している。現場で積み上がるデータに基づいており、算定に伴う会員企業の負担が少なく、各社が共通の仕様で生産性を評価できるため、日建連はこの算定式で継続して生産性を評価する考え。ただ工種や建物によって歩掛りが異なったり、完成工事高や労働時間に左右されるため、「業界のトレンドを見る指標」として用いる方針だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)