東京理科大学/スペース・コロニー研究センター発足/宇宙滞在技術を5年で実用化へ

 東京理科大学は、宇宙に長期滞在するために必要な技術開発を行う拠点として「スペース・コロニー研究センター」を発足した。センター長は、元宇宙飛行士の向井千秋同大特任副学長が兼務する。学部・研究科の壁を越えて生活環境や食糧自給、エネルギーと空気・水の創出を研究するチームを編成。異なる分野の教員が連携し、長期の宇宙滞在を実現する多様な技術・システムを開発する。竹中工務店が協力し、5年で実用化を目指す。
 スペース・コロニー研究センターは、同大研究推進機構総合研究院に設置された。研究テーマは▽スペースQOL(クオリティー・オブ・ライフ)デザイン▽スペースアグリ技術▽創・蓄エネルギー技術▽水・空気再生技術-の4項目。
 スペースQOLデザインチームは事業全体を統括する。同時に微小重力や低圧など特殊な環境条件の月面に人間が長期滞在することを想定し、滞在中の安全・安心や医療のセーフティーネット、快適に生活するために必要なシステムを研究する。スペースアグリ技術チームは、水中プラズマ技術と光触媒技術を併用し、資源が欠乏する閉鎖空間で植物を自給するための要素技術を開発する。
 創・蓄エネルギー技術チームは、放射線耐久性に優れた材料を使って高効率・高出力な太陽電池、夜間にも発電可能な室内外温度差を活用した熱電池発電システムとなどの開発を進める。水・空気再生技術チームは、人体や装置類から排出される各種のガスを完全分解可能な高活性光触媒で空気を完全に再生利用するシステムの開発を目指す。スペースアグリと水・空気再生のチームに竹中工務店が参加する。
 13日に東京都内で開いたキックオフミーティングで、向井センター長は「宇宙滞在技術の確立は、宇宙産業の活性化だけでなく、地上でも有用な技術として災害に強い住宅の実現による国土強靱(きょうじん)化、食糧問題の解決に貢献する」とあいさつ。「開発成果は民間企業に速やかに開示したい」と述べ、6月に産学官の連携による研究の場として「スペースコロニー研究開発コンソーシアム」を設立する考えを示した。

(日刊建設工業新聞様より引用)