東京都内ライフライン事業者/無電柱化技術開発が活発化/コスト縮減でメーカーと連携

 電気や通信などの事業を展開する東京都内のライフライン事業者の間で、道路の無電柱化に関連する技術開発が活発化している。電線類を地中に移設するための電線共同溝や地上機器のコンパクト化、デザインの改良などを製品メーカーとも連携し積極的に検討。道路管理者と電線管理者が管路材の要求性能を緩和し、低コストな製品供給を図る動きも出てきている。
 無電柱化の技術開発が広がる背景には、都の積極的な働き掛けがある。事業者側は当初、無電柱化がかえってコスト高を招くのでないかという懸念もあった。都道府県で初となる無電柱化推進条例の制定(17年9月施行)などを契機に潮目が変わってきている。
 送配電事業会社の東京電力パワーグリッド(東京都千代田区、金子禎則社長)は、地下ケーブルの接続・分岐箇所となる特殊部の改良を進めている。特殊部は通常、ケーブル接続などの作業スペースを確保するため一定の広さが必要になる。このスペースのコンパクト化に向け、マジックハンドのような工具で地中線を施工する工法の導入を検討中だ。普及すれば人が地下に降りる手間がなくなり、特殊部を小さくできる。
 同社は、変圧器など地上に設置する機器のコンパクト化にも取り組む。現行仕様で地上機器の高さは1450ミリだが、沿線住民などから「子どもの体が隠れてしまい交通事故の危険性がある」との声が寄せられている。対策として、地上機器の一部を地下に埋める「半地下構造」にして高さを800ミリまで低くする方針。本年度から試験機器を運用する。
 こうした取り組みは、25日に都が都庁で開いた「道路埋設物管理者会議」で報告された。同社の担当者は「歩道の狭い箇所や歩道のない道路での無電柱化推進も課題」と指摘。20年までの実用化を目標に、「地上機器の機能を分割して機器をコンパクトにする研究を進めている」と説明した。
 同社は変圧器を兼ねた街灯(共用柱)のデザイン改良も目指す。変圧器を柱の中に内蔵させ、見た目をスリムにする方向だ。管路の埋設作業では、ダンプの荷台から砂を直接投入できれば作業を効率化できるため、荷台からの砂の投入をサポートする専用治具の導入に取り組む。
 会議にはNTT東日本も参画した。同社はこれまで、特殊部の設置間隔を長くすることでコストを下げる検証を都と共同で実施。その結果、「設置間隔を従来の70メートルから100メートルに延長する方針が決まり、4月から都のマニュアルに反映されている」と報告した。
 道路管理者と電線管理者が管路材の強度基準を緩和し、管路の材料配合で低コスト化を促す動きも出ている。この規制緩和に基づく製品を事業者団体が開発。同日の会議で、管メーカーらでつくるC・C・BOX管路システム研究会は「年度内の供給開始に向け準備に入っている」と情報提供した。
 都は今後も関係者と知恵を出し合い、成長戦略の一つとして無電柱化を推進する方針。小池百合子知事は「施工時に何度も地下を掘り返さなくて済むよう、関係者が連携し社会的負荷を取り除く」と強調した。

(日刊建設工業新聞様より引用)