東京都/入札契約制度改革で業界団体と意見交換開始/中小企業への影響把握

 東京都は、昨年6月に建設工事で試行を始めた入札契約制度改革について、建設業関係団体と意見交換する会合を15日、東京都電設協会を皮切りにスタートさせる。都入札監視委員会の外部有識者らの間では、試行内容によって、得られた効果や課題に対する見解に差があり、一部軌道修正の可能性も浮上。評価の視点はさまざまだが、大幅な制度変更の影響を特に受けているとみられる中小企業の実態をどう捉えるかが、意見交換会のポイントの一つになりそうだ。
 中小企業の受注機会減少という懸念は入札制度改革の試行前からあった。入札参加要件からJV結成義務が撤廃されることで、これまで大企業とJVを組んでいた中小企業が排除されるのではないかとの見方が強まったことなどが要因だ。
 しかし、財務局が昨年公表した試行状況の中間報告によると、JV結成義務を撤廃した工事で中小企業の受注金額の割合は37・4%となり、JV結成義務を課していた16年度発注工事の実績(34・1%)より若干増えた。入札監視委のメンバーらはこれを評価し、今後は「中小企業がJVの代表企業にもなれる要件緩和を検討してもよい」などの意見が出ている。
 有識者らのこうした認識には異論もある。ある中小事業者団体トップは「一言で中小企業といっても、経営規模や得意とする業種などはさまざま。単にデータを見るだけでは実態を見過ごしてしまう」と指摘。資本金の水準などで区分される大企業、中小企業という分類を入札制度の検討でそのまま当てはめる考え方に危機感を募らせる。
 現在試行中の入札制度改革は、業界団体や都議会への事前説明がないまま唐突に発表されたとの認識も強く、都議会からは「見直しの検討は関係者の意見を聴き、目に見える形で進めること」との声が上がっている。こうした指摘に、小池百合子知事は「入札制度に絶対の答えはないが、入札監視委の検証結果と業界団体の声を踏まえ、より良い制度の構築に取り組む」と昨年12月の定例都議会で強調した。
 15日からの意見交換では、都の公共工事を受注している企業が多い東京都電設協会、東京建設業協会(東建)、東京都中小建設業協会(都中建)など計5団体から意見・要望を集める。最終日の29日に意見交換を行う都中建の山口巖会長は「都の中間報告を参考にし、意見を取りまとめている」と話している。

(日刊建設工業新聞様より引用)