東京都/工業用水道事業廃止へ/有識者委が提言、上水道に一本化

 東京都は7日、「工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会」の報告書を公表した。経営状況が厳しく需要の増加も見通せない現状を踏まえ、工業用水道事業は「廃止すべきだ」と提言。工業用水の供給は、上水道から供給する形に切り替える。これを受け都は廃止の具体化と、水道切り替えに伴う支援策の検討に入る。
 事業開始から50年以上が経過している工業用水道は、施設の老朽化が進行している。有識者委は、事業継続の場合には大規模な施設更新が必要になり、費用は2328億円に上ると試算。さらに「ユーザー件数や使用量は長期にわたり減少傾向で、今後も需要の増加が見通せない」と廃止の合理性を強調した。
 都の工業用水道は、地盤沈下の防止を目的とした地下水の揚水規制に伴う代替策として整備された経緯がある。これに対しては「地盤沈下は沈静化し、事業の目的は達成されている」との見方を示した。
 事業廃止に要する経費は、既存施設撤去と国庫補助金返還で908億円、上水道への切り替えに必要な利用者支援で190億~229億円の計1098億~1137億円に収まる見通し。有識者委は撤去費用のさらなる縮減の追求、工業用水道の既存資産(土地、建物、施設利用権など)を最大限活用した費用圧縮も提言した。

(日刊建設工業新聞様より引用)