東京都/神宮外苑地区まちづくり検討会が初会合/指針策定へ、7月に権利者ヒアリング

 東京都は30日、都庁で「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり検討会」の初会合を開いた。新宿、渋谷、港の3区にまたがる神宮外苑地区(面積64・3ヘクタール)のうち、地区整備計画が未策定の40・6ヘクタールを対象に、五輪後から着手する街づくりの方向性を定める。7月に関係権利者へのヒアリングを実施し、8月には街づくり指針の素案を整理。9~10月に指針案を取りまとめる方向だ。
 五輪後の街づくりは民間主体で進める。検討対象区域には明治神宮球場(1926年竣工)、秩父宮ラグビー場(47年竣工)、明治神宮第2球場(61年竣工)といった築年数が経過した大規模スポーツ施設が集積。こうした施設の連鎖的建て替えも視野に、緑豊かで風格のある都市景観の保存、スポーツ拠点や複合市街地の形成につながる街づくり指針を定める。
 座長に就いた下村彰男東京大教授は「歴史的、社会的にも象徴的なエリア。どういう取りまとめ方が適切か、さまざまなアイデアを出し合っていきたい」と呼び掛けた。
 検討の視点を巡り、委員の伊藤香織東京理科大教授は「誰でも利用できる公園と、空間が閉じているスポーツ施設とのバランスを取る必要がある」と指摘。
 遠藤新工学院大教授は「地区南側の青山通りを挟んだ地域では別の発展が進んでいる。周辺地域と調和した景観、にぎわいをどう考えるかも課題だ」との認識を示した。
 都の担当者は「検討対象区域は場所によって特性が異なる。区域内で導入すべき機能を分類する方法もあり得る」と答えた。
 検討対象区域のうち神宮球場などを含むb区域(17ヘクタール)は、市街地再開発事業の手法を活用する方針。一定規模の緑地確保などを条件に、民間から開発計画を提案してもらう公園まちづくり制度と併用する。検討会では、この民間提案を優良な計画と判断するための具体的要件も取りまとめる。
 b区域では、15年4月に都と関係権利者が「神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書」、今年3月には覚書に基づく協議内容を踏まえた確認書を交わしている。関係権利者は▽宗教法人明治神宮▽日本スポーツ振興センター(JSC)▽高度技術社会推進協会▽伊藤忠商事▽日本オラクル▽三井不動産-の6者。7月に開催する次回会合(非公開の予定)で、関係権利者が検討している街づくりについてヒアリングする。
 都都市整備局の山崎弘人まちづくり推進担当部長は「公園まちづくり制度の活用は、神宮外苑地区に掛かっている都市計画公園の規制を緩和する措置でもある。事業者には規制緩和に見合った地域貢献を求めていく。その条件を厳しく議論したい」と強調した。

(日刊建設工業新聞様より引用)