東京都/豊洲市場追加対策工事4件(江東区)/1者以下入札で手続き中止

 東京都が豊洲新中央卸売市場(江東区)の安全性向上に向け発注した追加対策工事4件の入札手続きが、参加申請者が集まらず中止となった。小池百合子知事は、20日に開会した定例都議会の所信表明で「市場移転に向けたステップを着実に踏んでいく」と強調したが、移転のプロセスは出はなをくじかれた形。都は発注条件などを精査した上で速やかに再公告の手続きに移る。
 中止したのは、財務局が19日に入札公告した▽29豊洲市場5街区地下ピット床面等追加対策工事▽同6街区地下ピット床面等追加対策工事▽同7街区地下ピット床面等追加対策工事▽同6街区地下ピット換気設備等追加対策工事-の4件。いずれも22日に参加申請を締め切り、申請者数が1者以下だったため取りやめとした。
 財務局は公共調達の競争性・透明性向上などを目的に、参加申請者がゼロだった場合に加え、1者しか集まらなかった入札も中止する入札契約制度改革を6月から試行している。
 中止された4件のうち3件は、豊洲市場の地下空間(地下ピット)の床面へのコンクリート打設などがメインとなる工事だった。財務局は各工事の申請者数を明らかにしていないが、この床面の追加対策は業者側から特に敬遠された可能性がある。同時に発注された別の換気設備工事2件と、地下水管理システムの機能強化工事3件はいずれも1者入札ではなかったからだ。
 知事は追加対策工事の見通しについて「専門家会議の確認を経て、来年6月上旬に完了する見込み」と公言している。追加対策の実施は築地中央卸売市場の豊洲移転の前提で、遅れは絶対に許されない状況だ。
 早期の再公告に向けた発注条件などの見直しは、中央卸売市場の起工部署が進める。再公告案件の場合は事業執行の停滞防止のため、申請者が1者でもいれば手続き継続となることから、再公告で落札決定する可能性は高まる。
 入札制度改革の試行開始以降、1者以下入札に該当した案件は何件か出ている。制度改革の一環で低入札価格調査の適用範囲を広げた結果、参加者失格で入札不調となったケースもある。競争性の確保が入札不調の増加につながっては元も子もなく、都は課題や改善点の検証を10月以降の入札監視委員会や都政改革本部内部統制プロジェクトチームで行うとしている。

(日刊建設工業新聞様より引用)