東日本高速会社/雪氷対策の提案力強化/国内外で技術研さん

 東日本高速道路会社は、雪氷対策の提案力を強化する。ブリヂストンと共同開発した世界初の凍結防止剤最適自動散布システム「ISCOS」を17年度までに北海道支社管内の全雪氷基地に順次導入し、運用・管理面の知見を蓄積しながら他エリアへの展開を検討中。提携先のオーストリアの高速道路会社とも雪氷対策分野での技術交流を積極的に進め、新技術の海外展開も視野に入れる。
 廣瀬博社長は26日の記者会見で「世界から雪氷対策のことなら当社に聞いてもらえるよう、衛星利用測位システム(GPS)やICT(情報通信技術)などを活用して関連技術の拡充・高度化に取り組む」との考えを表明した。
 総延長約3800キロの高速道路を管理する東日本高速会社は積雪寒冷地のエリアが広く、凍結防止剤の散布量は年間16万トンに上る。
 14年度から北海道支社管内で順次導入しているISCOSは、走行しながらタイヤの接地面の情報を収集・解析して路面状態を高度に判別できるブリヂストンのタイヤセンシング技術「CAIS」に、東日本高速会社グループの凍結防止剤最適散布装置などを組み合わせた。
 巡回車に装着した特殊タイヤで路面状態(乾燥、半湿、湿潤、シャーベット、積雪、圧雪、凍結)を詳細に把握し、凍結防止剤の散布量・箇所をリアルタイムに最適制御できる。
 15年度に北海道支社管内で導入した雪氷基地では、凍結防止剤の使用量を約1割削減した。雪氷対策事業のコストダウンと合わせ、散布量の最適化によって道路構造物への塩害などの影響も最小限に抑えられる。
 路面状況の把握・判別の自動化などにより、車両オペレーターの作業負担が軽減され、熟練者を必要としない管理体制も構築可能。雪氷対策での生産性の向上が期待できる。
 16年度は札幌、岩見沢、旭川の3管理事務所の雪氷基地でのISCOSを導入予定。システム維持管理費(雪氷巡回車9台、凍結防止剤散布車21台)は3200万円を見込む。
 技術の高度化に向け、廣瀬社長は「散布車両は現在2人1組で運用しているが、将来の1人体制での運用を見据え、システムの安全性と操作性の向上を目指す」と述べた。
 提携関係にあるオーストリアの高速道路会社、アスフィナグとの技術交流については、「アルプスを中心とした山岳・降雪地帯を道路が通り、類似性も多いことから雪氷関係での交流をさらに深めたい」と表明。ブリヂストンとも密接に連携しながら、ISCOSなど独自の雪氷対策を国内外で積極的に展開していく考えを示した。

(日刊建設工業新聞様より引用)