梓設計/仏エンジ大手アンジェロップと業務提携/欧州・アフリカ市場参入狙う

 梓設計は、世界70カ所以上でインフラ整備や大型再開発などを手掛けるフランスの大手エンジニアリング会社「アンジェロップ」(パリ、イブ・メッツ社長)と業務提携した。アンジェロップと協業し、欧州とアフリカ(フランス語圏)の建築市場に参入を目指す。アンジェロップはアジア市場への進出と、国際協力機構(JICA)の委託案件の開拓に取り組む。両社間で人材交流も行い、技術面からシナジー(相乗効果)を高める。
 3月27日にパリのアンジェロップ本社に梓設計の杉谷文彦社長が訪問し、メッツ社長と契約を交わした。
 今回の提携で両社はJICAやフランス開発庁(AFD)、アジア開発銀行(ADB)の案件をはじめとするアフリカ、アジア圏のさまざまな案件で協業する。人材交流は梓設計がアンジェロップに構造設計者、アンジェロップのグループ会社でファサード設計を専門とする「arcora(アルコラ)」に意匠設計者を1人ずつ派遣し、効率的な構造やファサードデザインなどを習得。アンジェロップは構造設計者を梓設計に派遣する。梓設計はアンジェロップのグループで日本国内の建設コンサルタント「アンジェロセック」とも案件ごとに連携する考えだ。
 アンジェロップは1945年設立のインフラエンジニアリング会社。欧州やアフリカ、南米など51カ所にオフィスを構え、土木インフラの整備とともに、土壌汚染改良、トラム(路面電車)やBRT(バス高速輸送システム)の事業も得意とする。グループ会社にアルコラを抱えて建築事業も展開し、17年度の売上高は約300億円。建築分野はアトリエ事務所と連携し、空港、病院、スポーツ施設、商業施設などのファサードデザインや構造デザインを担当。現在はスイスのジュネーブ国際空港やフランスのパリ・レアール駅再開発の大屋根の整備を手掛けている。
 梓設計はここ数年、中国建築設計院(中国)、CPGコンサルタンツ(シンガポール)、郭事務所(台湾)、コニンコ(ベトナム)、グリーンデザイン(米国)、ジーエル・イベンツ(フランス)と相次ぎ提携。ローカルの建築事務所やエンジニアリング会社と協業して海外事業を開拓する動きを強めている。
 杉谷社長は「アンジェロップは多くの分野で高い競争力を持つが、とりわけファサードデザインの分野では世界の先頭に立つ。これから建築は生命体に限りなく近づいていくと思う。その時のファサードは単なるバリア機能からテイクオフして、自律的に変容しながら、外部とのエネルギーや気質の交換を介在したり、情報をやり取りしたりと、言わば、細胞膜(メンブレン)のような流動性を持つ有機体に近づくはずだ」とコメント。さらに「ファサードからメンブレンへ、アンジェロップと共に地球と共生する建築を追い求めていく」としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)