河北医療財団/河北総合病院移転建替(東京都杉並区)/隣接地権者と合意

 東京都杉並区のJR阿佐ケ谷駅の近くで「河北総合病院」を運営する河北医療財団(東京都杉並区、河北博文理事長)が、同病院に隣接する「通称・けやき屋敷」の敷地を移転先として施設を建て替えることで、けやき屋敷の地権者と合意したことが分かった。事業化の検討は始まったばかりで、建て替えの進め方など詳細は未定。今後、具体化に向けて区や地域住民らとの協議が活発化する見通しだ。
 河北総合病院の所在地は杉並区阿佐谷北1の7の3(敷地面積6858平方メートル)。施設の延べ床面積は1万6494平方メートルで、病床数は331。近隣には分院(阿佐谷北1の6の20)など関連施設が複数ある。地域住民などから「けやき屋敷」と呼ばれる土地(阿佐谷北1の6の5)は個人の所有地で、広大な敷地のほとんどが樹木で覆われている。
 区によると、病院の関係者とけやき屋敷の地権者の双方から8月中旬、病院の移転建て替えに関する情報提供があったという。
 両方の敷地を含む「阿佐ケ谷駅北東地区」(区域面積4ヘクタール超)では、地域住民主体の「阿佐ケ谷駅北東地区を考える会」が地域発意の街づくり構想の策定と、区への提案を目指して検討を進めている。「考える会のメンバーも(移転建て替えを)おおむね肯定的に受け止めている」(区担当者)ことから、今後は移転建て替えを前提として街づくり構想の策定作業が進むとみられる。
 病院は施設の老朽化が進んでおり、建て替えが実現すれば地域医療拠点の更新・充実が図られる。一方、「移転建て替えに当たって、貴重な屋敷の緑とどのように調和を図っていくか、防災や交通安全の観点から道路基盤の整備をどのように進めるかなど課題がある」(同)という。
 こうした地区内の現状や課題を整理するため、区は計画工房(東京都渋谷区)に委託して同地区の基礎調査に着手。地区計画の導入などさまざまな都市計画手法の活用も視野に入れ、地域発意の街づくりを支援するための準備を進めている。
 区は並行し、同地区を含めた「阿佐ケ谷駅等周辺まちづくり方針」を17年度の初めごろには策定する予定。地域の動向を注視しながら、駅周辺一帯の将来像を固めていく考えを示している。

(日刊建設工業新聞様より引用)