法定福利費確保、下位下請ほど不十分/3次以下は賃金水準低調/国交省調べ

 より下位の下請企業ほど法定福利費が十分に受け取れていない実態が、国土交通省の調査で明らかになった。公共工事と比べ民間工事で法定福利費を確保できている工事の割合が低いことも判明。3次以下の下請企業では技能者の賃金水準が低い傾向にあり、賃金の引き上げも3~4割にとどまる。調査結果を踏まえ、今後ターゲットを絞った効果的な対策の検討が求められそうだ。=2面に関連記事
 調査は建設業許可業者の中から無作為に抽出した2万8000社を対象に17年9~11月に実施し、6888社の回答を得た(回収率24・6%)。公共工事と民間工事、団体の所属の有無などを問わず幅広く、社会保険の加入状況や、雇用する技能者に支払った賃金や法定福利費の実態を把握し、担い手確保に向けたさらなる取り組みを検討するのが目的。
 それによると、直近の一現場で法定福利費が100%受け取れた公共工事の割合は元請が59・2%と約6割に上ったのに対し、1次下請は49・1%、2次が43・7%、3次以下が41・7%と徐々に減少した。民間工事でも元請44・1%、1次43・3%、2次38・5%、3次以下25・6%と同様の傾向が見られた。官民問わず、下請の下位になるほど法定福利費が行き渡っていないことが分かった。
 民間工事は公共工事と比べて、法定福利費を80%以上受け取れた工事の割合が低い。さらに20%未満しか受け取れなかった工事の割合は元請18・3%(公共工事5・8%)、1次13・9%(9・9%)、2次19・9%(8・4%)、3次以下17・9%(16・7%)と高まる傾向となった。
 公共工事の法定福利費の受け取り状況を発注者別に見ると、市区町村発注工事で元請が全額受け取れた工事の割合が52・2%(国75・1%、都道府県63・4%)と著しく低かった。国、都道府県の発注工事で全額受け取れた元請が6~7割だったのに対して、1次(45・8%、44・7%)や2次以下(46・9%、48・9%)は5割に満たなかった。
 技能者の賃金の支払い状況は公共工事、民間工事とも職位(職長、班長など、その他技能者の順)に応じた賃金水準となっていた。また3次以下の下請企業に雇用される技能者の賃金水準が低い傾向も表れた。
 16年7月以降に賃金を引き上げた企業の割合は元請から2次以下までが4~5割。一方、3次以下で賃金を引き上げたと回答した企業は3~4割にとどまった。

(日刊建設工業新聞様より引用)