海建協/会員にFIDIC契約約款改訂内容を周知/請負者設計の補償義務は有限に

 海外建設協会(海建協、白石達会長)は、17年12月に改訂された国際コンサルティング・エンジニア連盟(FIDIC)の「国際建設契約約款」について、内容を会員企業に周知した。改訂を巡っては、請負者の設計の誤りに起因する請負者の補償義務が無限から有限責任に変わるなど、請負者のリスク負担の拡大が懸念された試行版の内容を修正することで決着した。海建協は関係国際団体と連携し、修正を求める対応に奔走していた。
 FIDIC契約約款の改訂は18年ぶりで、「Red」「Yellow」「Silver」の三つが発行された。このうちYellowは、改訂版に先駆けて16年に発行された試行版で、請負者の設計の誤りが原因の目的適合性の違反に関する補償義務が無限責任とされたり、紛争裁定委員会(DAB)の決定に異議を唱える通知から仲裁を182日以内に申し立てる規定が設けられたりした。
 海建協は改訂内容がコントラクターにとって非常に不利になると見て、調査研究委員会の契約管理研究会(星野浩座長)が主体となり、対応に乗りだした。「日本はFIDICのヘビーユーザー」(三宅且仁海建協技術参与)という立場を生かし、改訂作業を担当しているFIDICの委員会に各国の関係団体と協調して意見陳述書を発送、修正要請した。その結果、目的適合性違反に関する請負者の補償義務は有限責任となり、仲裁申し立ての期限は削除され、詳細クレームの提出期限は84日に延長された。
 改訂版は、細かい手続き規定が追加され、契約管理の労力が増えると同時に、コンサルタントや弁護士といった専門家の関与がこれまで以上に必要と見られている。そこで海建協は、事業活動を支援する取り組みの一環として、25日に東京・八丁堀の本部で「17年度第15回国際建設リーガルセミナー」を開き、改訂版を会員企業に説明した。講師は、賛助会員で当初から同セミナーに協力しているピンセント・メーソンズ法律事務所のニック・ブラウン弁護士らが務めた。セミナーには、当初の定員を上回る約60人が参加した。
 冒頭、三宅技術参与は会員企業の支援に力を入れる考えを表明し、「FIDICの着地点がどの程度となったか分かっていただけると思う」とセミナーに期待を寄せた。星野座長は、「改訂に懸念を表明したが、われわれの意見表明は効果があったと確信している」と修正の取り組みに手応えを示した。
 同セミナーは03年の開始からこれまでに63回開き、延べ2100人が参加した。17年度はベトナム、インドネシア、カンボジアでも開催した。

(日刊建設工業新聞様より引用)