清水建設、日本IBM、三井不/スマホで音声ナビ、移動支援へ都内で実証実験実施

 ◇障害者・外国人旅行客らの移動支援
 スマートフォンアプリの音声ナビで目的地まで案内-。清水建設、日本IBM、三井不動産は共同で、東京・日本橋室町地区で音声ナビで行きたい場所へ誘導するシステムの実証実験に乗りだす。位置情報と人工知能(AI)を組み合わせ、音声対話で周辺店舗や施設の情報を取得。目的地までの移動を支援する。車いす利用者や視覚障害者、外国人旅行客にとっても快適な街づくりにつなげる。
 実証実験期間は今月8日から28日まで。アプリは無料でダウンロードできる。対象エリアは、日本橋室町地区の大型商業施設「コレド室町1~3」の低層階に入る全テナント(92店舗)、東京メトロ銀座線三越駅前地下歩道の一部、江戸桜通り地下歩道の約2万1000平方メートルの空間。
 今回のシステムは、スマートフォン、ビーコン、対話サーバー、ナビゲーションサーバーの大きく四つの要素で構成される。位置情報を発信するビーコンは5~10メートル間隔で計224カ所に設置した。
 ユーザーは、スマホの専用アプリを起動し、一般歩行者、車いす利用者、視覚障害者などの属性を設定。「3歳の子どもを連れてケーキを食べに行きたい」などの質問を投げ掛けると、対話サーバーが店舗や施設を推薦する。
 対話を重ねてユーザーが目的地を選択後、ビーコンの情報で現在地を測定する。ナビゲーションサーバーで経路情報や地図情報、経路上にある店舗情報、障害物情報などを地図と音声で提供。カーナビで使われる「ターン・バイ・ターン」ナビも搭載しており、分岐に差し掛かった時に目的地に向かう方の道を音声や矢印で示す。
 26日に実証実験のデモが報道関係者らに公開され、フィールドを提供する三井不動産の中原修日本橋街づくり推進部事業グループ長は「日本橋での実証を経て、他のエリアでも多様な人に優しい、楽しめる街づくりを推進したい」と話した。
 屋内外で使用できる音声ナビシステムは、清水建設と日本IBMの共同開発。清水建設の大西正修執行役員設計本部副本部長は、開発の経緯や3社の役割を説明した上で、「高精度な位置情報と音声対話で利用者に最適なナビができる。スマホを使うため、利便性・汎用性も高い」などとメリットを強調した。
 14歳の時に事故で失明した日本IBM東京基礎研究所の浅川智恵子IBMフェローは「世界でもあまり例を見ないシステム。2020年にはこのようなシステムが東京中に広がり、東京がバリアフリーな次世代の街として世界のロールモデルになることを願っている」と期待を込めた。

(日刊建設工業新聞様より引用)