熊本で震災ADR申し立て増加

相次ぐ立ち退きや敷金に関する紛争


熊本県では震災の影響で、賃貸住宅に関する入居者やオーナーからの相談がいまだに相次いでいる。
民事訴訟より、迅速な解決が見込まれる震災裁判外紛争解決手続き(震災ADR)の申し立てが、6月中旬からの4カ月間で52件あり、うち7割は賃貸住宅に関する内容だった。
相談窓口を設置している熊本県弁護士会では、3月までに150件ほどに増える見通しだという。

具体的には、修繕や建て替えをしたい家主の立ち退き要請、敷金の返金や修繕費の負担をめぐるトラブルが多い。
和解していない事案も多く、裁判に発展する可能性もあるという。
東日本大震災では、3年間で521件の申し立てがあり、そのうち賃貸住宅に関するものは4割だった。
「余震が続き、16万軒という広大な住宅被害の影響で、熊本では相談数が増えていると考えられる」(熊本県弁護士会)という。

熊本県を中心に約2万戸を管理する明和不動産(熊本市)でもオーナーや入居者からの相談がいまだに相次いでいる。
震災直後は、家賃の支払や解約手続きに関する問い合わせが多く、退去時の敷金返済についての対応に追われていた。
現在は入居者から、物件の補修に関する問い合わせが多いという。
被害が少ないものでも室内外に、壁の亀裂や破損、床のゆがみ、漏水などが発生している。
生活に支障をきたす緊急性の高いものから、補修をしているが、工事業者不足で、手配が困難な状況だ。
特に漏水の被害が多いという。
一方で、地震保険の損害鑑定や、全壊物件の建て替えに関する対応は、ピークアウトしているようだ。

(全国賃貸住宅新聞様より引用)