熊谷組/木造CLT壁でJIS最高の遮音等級達成/中大規模木造建築での使用視野

 熊谷組は6月29日、中大規模木造建築への適用を想定した木造CLT(直交集成板)壁の単体での遮音実験を行い、JIS最高の遮音等級となるRr(空気音遮断性能)-60を達成したと発表した。CLT壁に遮音効果を高める材料を組み合わせるとともに、比重の異なる材料を積層し、課題とされる低音域の共鳴透過を低減させることに成功した。
 実験は建材試験センター(福水健文理事長)で実施。木材自体の燃え代層により耐火性能を確保する場合と、燃え止まり層を設けて耐火性能を確保する場合の両方の耐火仕様で性能を確認した。
 厚さは燃え止まり層90ミリ、燃え代層150ミリでいずれもRr-60を達成。燃え止まり仕様は石こうボードや断熱耐火パネルなど、燃え代仕様は遮音シートなどで遮音効果を高めた。
 木造のCLT壁は、壁面以外からの音の伝搬経路も想定されるため、住戸間の遮音性能は壁単体だけでなく、壁と床、梁全体での遮音性能が重要となる。開発中のCLT遮音床と主要構造部の耐火構造を踏まえ、床と梁の上にCLT壁を設置した状態での空気音遮断性能で国土交通大臣認定の取得を目指す。
 共同住宅やホテルなど高い遮音性能が求められる用途で、木造建築を実現する要素技術として活用していく。茨城県つくば市にある技術研究所に木質構造のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)実証施設の建設を計画しており、同施設への導入も検討する。
 通常の木造CLT壁は、厚さ30ミリ程度のラミナ(ひき板)を繊維方向と直交させて積層する。RC造の壁と比較すると、材料の単位面積当たりの重量が低い。Rr-50が限界でマンションやホテルへの導入が難しかった。

(日刊建設工業新聞様より引用)