社整審分科会部会/今後の道路政策で建議案/維持管理・更新費の安定確保策の検討を

 ◇国交省、法改正で整備費補助時限かさ上げ延長へ
 今後の道路政策を検討している社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)道路分科会の基本政策部会(部会長・石田東生筑波大特命教授)は13日、維持管理・更新費を安定的に確保する方策などを求める建議案をまとめた。これを受け、国交省は次期通常国会への提出を視野に関連法制度の見直しに着手。道路整備財政特別措置法で定める国の道路整備費補助金のかさ上げ措置延長を優先して検討する。
 建議は「道路・交通イノベーション~『みち』の機能向上・利活用の追求による豊かな暮らしの実現へ~」と銘打ち、最終的に道路分科会が8月にまとめる。
 国交省の石川雄一道路局長は同日開かれた基本政策部会の会合で、建議の内容を8月末の18年度予算概算要求に反映させるとともに、関係する法制度の見直しに取り組む考えを初めて表明した。
 建議案では、道路政策の最優先課題に位置付けられる老朽化対策を中心に新たな施策や現行施策の充実などを提案した。老朽ストックの大半を管理している地方自治体などの道路管理者が行う維持管理や更新に対する国の支援策を充実させる必要性を指摘。これらのメンテナンス費用を安定的に確保する方策の検討を求めた。
 防災・減災や経済成長に貢献する道路施策の充実も提案した。
 防災・減災では、昨年4月の熊本地震を教訓に、現在指定されている災害時の緊急輸送道路の絞り込みを求めた。指定路線の中から平時も含めた安定的な輸送確保に向けて重要になる路線を指定し、耐震化を念頭に置いた設備投資を重点的に進めておく必要性を指摘。全国の道路上に約3500万本ある既設電柱を撤去し、電線類を地中埋設する「無電柱化」を進めることも求めた。
 経済成長への貢献では、一般道の渋滞対策として沿道敷地への大規模商業店舗などの出店事業者に対策の実施を求めることや、道路占用物件の占用料見直しの必要性を指摘した。
 今後、国交省は道路法や道路財特法などの法改正に取り組む。当面は来年の通常国会での改正を視野に、道路財特法で定める自治体などへの国の整備費補助金のかさ上げ措置の延長を検討する。08年度に始まったかさ上げ措置では、道路法に基づく従来の補助金と比べ国庫補助率を高く設定しており、17年度末で適用期限を迎える。
 《建議案の要旨》
 【老朽化対策】
 ▽点検・補修を高度化・効率化する非破壊検査などの新技術導入
 ▽ビッグデータや人工知能(AI)を活用する維持管理技術の開発
 ▽利用状況などを踏まえた自治体管理橋梁の集約化・撤去推進
 ▽維持管理・更新費に充てる予算の安定確保
 ▽国による市町村への技術者派遣制度構築
 【防災・減災】
 ▽緊急輸送道路の指定路線を絞り込み、耐震化などの設備投資重点化
 【無電柱化の推進】
 ▽既設電柱撤去と新設電柱抑制を推進
 【一般道の渋滞対策】
 ▽沿道への大型商業施設などの出店者に渋滞対策の確実な実施を求める仕組み導入
 【経済成長への貢献】
 ▽立体道路制度の適用範囲を拡充し、民間による道路空間活用の自由度向上

(日刊建設工業新聞様より引用)