社整審/公共建築工事の発注者のあり方答申/役割2点に整理

 社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)は20日、建築分科会官公庁施設部会(部会長・大森文彦東洋大教授)が取りまとめた答申「官公庁施設整備における発注者のあり方について-公共建築工事の発注者の役割-」を石井啓一国交相に提出した。国交省は答申に沿って今後、発注者が役割を適切に果たすのに必要な取り組みを率先して実施していく。=2面に川元茂国交省官庁営繕部長のインタビュー
 答申では発注部局と事業部局が異なるなど公共建築工事の特徴を踏まえ、発注者(発注部局)の役割を▽企画・予算措置を行う事業部局との連携(技術的な助言など)▽公共建築工事の発注・実施(諸条件の把握、発注条件の取りまとめ、設計・工事などの発注・実施)-の2点に整理した。
 発注者が役割を適切に果たすため、国交省は自ら発注者として方策を講じるとともに、他の発注者などと協力・連携して環境整備に努めるとした。民間を含む外部機関や広域的な連携の仕組みの活用も要請。外部機関を活用する場合は発注者が責任を負うと明記している。
 答申を受け、国交省は公共建築工事の発注者の業務が適切に行われるよう、▽発注者の役割の理解の促進▽技術基準等の整備・活用と人材育成の促進等▽個別の公共建築工事の適切な発注と実施に資するための環境整備-の三つの施策に取り組む。発注者の役割に関する認識を共有化するため、解説書を作成するとともに、研修などを通じて発注者の理解促進を図る。
 技術基準などを総点検し、必要に応じて改定するとともに、基準類の概要やよくある質問例なども作成する。公共建築工事に関する研修などの情報について、市町村の職員も参加可能なものも含めて取りまとめるなどし、人材育成の促進を図る。公共建築工事の過程での留意事項や発注条件として示す項目、先進的取り組みなどの優良事例なども収集・整理し、発注者に情報提供する。
 個々の公共建築工事での適切な発注と実施に向け、相談窓口の活用促進や外部機関活用の環境整備に取り組む。発注者間の協力や連携の促進、工事の発注と実施に関する実態や課題の共有化のため、発注者(省庁や都道府県など)や受注者(設計者や施工者などの団体)との継続的な意見交換も行う。
 □日建連・山内隆司建築本部長/「広く波及を期待」□
 社整審が官公庁施設を整備する発注者のあり方について石井啓一国交相に答申したのを受けて日本建設業連合会(日建連)の山内隆司副会長・建築本部長は20日、談話を発表し、「建築物に求められる諸条件の把握や客観的で明確な発注条件の取りまとめなど、公共建築工事の発注者の役割が具体的に明示されたことは極めて意義深く、大変ありがたい」と謝意を示した。
 国交省が今後、発注者の役割を全国に周知するなどの方策を進めることによって、「公共建築工事が答申に沿って実施されるとともに、答申に明記された公共発注者のあり方が民間にも参照され、広く波及することを期待している」とコメント。「日建連も受注者としての役割・責任をしっかりと果たし、建築物などの安全と品質の確保、適正な価格による工事の受注、適切な工期、適切な契約条件の確保に取り組んでいく」と表明した。

(日刊建設工業新聞様より引用)