福島県、福島建協、日大ら/インフラメンテ技術者育成協議会が発足/17年度に新資格

 福島県や福島県建設業協会、日本大学工学部らは11日、老朽インフラの維持管理を担う技術者を産学官で養成する東北初の組織「ふくしまインフラメンテナンス技術者育成協議会」を立ち上げた。同日福島市で初会合を開き、土木構造物の維持修繕に必要な点検・診断を行えるとともに、地域事情にも明るい土木技術者を育成するための資格制度「メンテナンス・エキスパート(ME)」を本年度に新設することを決めた。講習修了者にME資格を付与し、県発注業務などで優遇する枠組みを検討している。
 同県は沿岸と内陸で気象条件などの地域事情が大きく異なる。インフラの更新需要が年々増え続ける一方で、それらを手掛ける技術者の数や公共予算が減少してもいる。このため関係機関で協議会組織と資格制度を立ち上げ、地域事情に精通し、確かな維持管理技術を持つ技術者の育成を図ることにした。
 新たな資格制度は、維持管理の基礎技術を習得した「メンテナンス・エキスパート(ME)」と、より高いレベルの技術を持つ「メンテナンス・マネージャー(MMR)」の二つで構成。協議会では本年度内にME技術者の資格取得に必要な講習会をスタートさせ、将来的にMMR技術者の育成にも着手することにしている。
 MEの資格は技術レベルによって2段階に区分する。基礎コースでは、構造物そのものや維持管理の基礎知識を持ち、基本的な診断作業を行える技術者を養成する。一方、応用コースでは、構造物の点検計画立案、健全度診断を行えるより高度な知識・技術を持つ技術者を育てる。
 MEコースで向こう3年間に約500人、MMRコースでは向こう5年間に100~200人の有資格者を誕生させる。将来的に設置を検討するMMRコースでは、市町村の道路・橋梁管理計画などを包括的に立案できる人材の育成を目指す。
 初会合には県や国、福島建協、日本大学などの関係者が参加。会長に日大工学部の中村晋教授を選任したほか、組織体制などを決めた。
 冒頭、福島建協の小野利廣会長は「築50年を超えるインフラの数が加速度的に増える中、インフラを長持ちさせる設計・施工技術と、人材育成が急務だ。点検・診断から設計・施工、管理までの一連の流れを最適化しようにも技術者数が絶対的に足りない。気象条件や災害危険箇所など地域事情を熟知する技術者を早急に育成・確保する必要がある」と、協議会の意義を強調した。

(日刊建設工業新聞様より引用)