竹中工務店ら2社/木造向け複層格子梁開発/局面屋根を構築、学校施設建設に適用

 竹中工務店と一粒社ヴォーリズ建築事務所は曲面の屋根をつくる木造の複層格子梁を開発し、国内で初めて滋賀県近江八幡市の学校施設に適用した。木造複層格子梁は主材となる上弦材と下弦材を短辺方向に架け、斜材を上下弦材の間にトラス状に組み込む架構で、トラス成を確保することで部材の小断面化と製作工期の短縮を実現した。斜材は屋根の面内剛性を高めるだけでなく、屋根構造の立体的な力の伝達にも役立っている。
 導入したのは学校法人ヴォーリズ学園の「ヴォーリズ記念アリーナ」。ヴォーリズ学園が屋根構造を木造にするよう求めたのを受けて、両社が複層格子梁を開発した。
 複層格子梁に使用したのは工場生産の湾曲集成材。複層格子梁にしたことで断面を220ミリ×450ミリにサイズダウンできたという。
 最初に下弦材を設置してその上に斜材を置き、さらに上弦材を設ける。材料同士は金物で接合する。伝統木造の技術「貫架構」を組み込むことで屋根架構を一体化。木質系の母屋と組み合わせることで暖かみのあるシンボリックなアリーナ内部空間を実現した。工期や重量、コストともS造の屋根とほぼ同じという。両社は特許を共同出願済み。
 ヴォーリズ記念アリーナは奥行きが約39メートル、幅が約33メートルのメインアリーナを備える。規模はRC造(屋根木造)2階建て延べ2303平方メートル。意匠設計と監理を一粒社ヴォーリズ建築事務所、構造設計と木造関係監理、施工を竹中工務店が担当。16年5月中旬に着工、17年3月に完成した。

(日刊建設工業新聞様より引用)