竹中工務店/圧電セラミックスで鉄骨階段の振動吸収/昇降時の振動3分の1に

 竹中工務店は30日、シート状の圧電セラミックスを使って鉄骨階段の昇降時の振動を3分の1程度まで低減する制振技術を開発したと発表した。階段の振動を両端部に設置した圧電セラミックスの伸縮で吸収する。小型の圧電セラミックスを使うため、従来の制振工法と比較して取り付けが容易な上、工期がかからないなどのメリットがある。
 「SPADA-stairs」は、同社が17年に開発したS造構造物の床制振技術(SPADA-floor)を応用した。SPADA-floorはシート状の圧電セラミックスを鋼板の表裏両面に貼り合わせた小型アクチュエーターと、床の振動を検知するセンサー、検知した床振動に合わせてアクチュエーターの動きを制御するコンピューターで構成する。
 センサーが床の振動を検知すると、梁の両端下部に取り付けたアクチュエーターが伸縮する。両端のアクチュエーターが伸びれば両端から床が押されて上方向に盛り上がり、縮めば引っ張られて床が下方向にへこむ動きをする。センサーで検知した振動を打ち消すように梁の動きを制御することで、床振動を低減する仕組みだ。
 SPADA-stairsでは、アクチュエーターを床と階段の接続箇所に取り付け、振動センサーを階段の中央に設置する。床の制振と同様に、センサーで検知した階段の振動を打ち消すようにして階段部材・ささら桁の動きを制御することで、階段の振動を抑える。
 同社大阪本社の改修で吹き抜け階段を設置した際に同技術を活用し、効果を実証した。圧電セラミックスによる対策後は、対策前と比較して振動が約3分の1に減った。同等の振動性能を持つ階段と比較して、ささら桁の幅を320ミリから220ミリに31%細くすることができた。
 今後は、SPADA-stairsを活用してデザイン性の高い階段の実現を目指すと同時に、「SPADA」シリーズを床や窓などにも拡大することを目指す。

(日刊建設工業新聞様より引用)