竹中工務店/自社研修施設地上躯体にCLTパネル工法初採用/大開口も可能に

 竹中工務店は自社研修施設の増築工事で地上3階の躯体すべてにCLT(直交集成板)パネル工法を初めて採用すると発表した。兵庫県川西市にある「竹中研修所匠(たくみ)」の増築棟で、構造形式を工夫して梁形や垂壁を省き、床から天井までの大開口を可能にした。CLTパネルをすべて工場で生産・加工するため、RC造より省人化・短工期化などを実現できる。今後、ホテルや集合住宅での適用を顧客に提案していく方針だ。
 CLTは丸太から切り出した板を互いに繊維が直交するよう積層接着させた木質建材で、耐力や寸法安定性、断熱性が高いのが特徴。同社では既存施設の耐震補強材として活用した実績がある。
 増築棟ではパネル同士を接合する金物やボルトを二重床内や二重壁内に収めて一切見えないようにし、天井・内壁の大部分をCLTの素地仕上げにする。CLT床パネルを外へはね出すことで、大開口への日射を遮る「ひさし」とし、宿泊室内外部に連続するCLT天井を実現、外観に陰影のある表情もつくる。今回、CLTパネルは熊本県産のスギ材を、外装材には奈良県産のスギ材を使い、緑が豊富な周辺環境との調和を図る。
 建築物に安全な木材利用を促す16年4月の建築基準法告示に基づいて構造計算した。大臣認定を個別に受けることなく建築確認で建築が可能になった。既に名古屋市のプロジェクトで同工法の適用を提案中で、さらに受注案件を拡大したい考えだ。
 増築棟は匠本館の西隣に建設。規模はW・RC造地下1階地上3階建て延べ1209平方メートルで、地下部分にだけRC造を採用する。宿泊室30室や懇親会場、同社の歴史資産を置く収蔵庫などを配置する。8月に着工しており、18年2月の完成を目指す。匠本館も改修工事中で同社の多様な研修ニーズに対応する。本館・増築棟とも同年4月に使用を始める。

(日刊建設工業新聞様より引用)