竹中工務店/鋼管柱・H形鋼大梁の接合で新工法開発/溶接作業すべて鉄骨工場で

 竹中工務店は、S造建築物の施工で鋼管柱とH形鋼大梁を接合する際の新工法を開発したと発表した。溶接作業のすべてを鉄骨製作工場で行い、現場ではボルト接合だけで建て方が完了する。工場で柱に取り付けるブラケットも従来より小型化し、現場への運搬効率を高めた。溶接技能者が減少する労務環境に対応した省人化工法として導入。兵庫県西宮市の商業施設に初適用する。
 新工法は、大梁とブラケット、大梁同士を接合する上下4枚ずつのプレートの設置状態から「四つ葉プレート工法」と名付けた。
 鉄骨製作工場では、鋼管柱の4側面にそれぞれH形のショートブラケットを取り付ける。取り付けは隅肉溶接で行うため超音波探傷検査が省ける。ブラケットは長さが150ミリ程度と短いため溶接量が少なく、ブラケットを取り付けた鋼管柱を現場に運搬する際の効率も上がる。
 現場では、まず大梁ウェブをスプライスプレートで柱のブラケットと接合。次に大梁同士のフランジを、スプライトプレートを兼用する分割式外リング(四つ葉プレート)を用いてつなぐ。接合はすべてボルトで行う。
 一般的な鉄骨柱梁接合部は、製作工場で柱を分割して通しダイアフラムと接合溶接し、さらに梁を接合するためのブラケット(長さ1メートル程度)を溶接する。溶接量が多い上、長いブラケットが四方に突き出しているため、現場への運搬効率が悪いのも難点になっている。
 同社は溶接技能者が減少する中で溶接量を軽減できる方法を研究。ショートブラケットを柱に直接隅肉溶接する技術を開発し、溶接量を大幅に減らすことに成功。さらに、一つの大梁の応力を柱と直交する大梁へより確実に伝えるプレートをボルトで接合する方法を確立した。
 作業の省力化と運搬効率の向上に加え、構造性能・変形性能も従来工法より優れていることを確認しているという。
 新工法を初適用するのは阪神電気鉄道が建設中の商業施設「エビスタ西宮増築計画」(S造3階建て延べ1万0280平方メートル)。竹中工務店の設計・施工で17年10月に着工。今月中に鉄骨建て方に着手する。今秋の完成を目指している。

(日刊建設工業新聞様より引用)