経済同友会/中高層ビルの木造化提言/4000億円規模の市場創出

 経済同友会の地方創生委員会(委員長・隅修三東京海上ホールディングス会長)は22日、中高層ビルの木造化を求める提言を発表し政府に対応を申し入れた。需要を喚起し、林業の再生を通じた地方創生を促すのが狙い。率先した木造利用を施主に求め、設計者・施工者には調達工程を含めた需給システムの構築や人材育成を要請した。建築基準法の見直しを含めた木造建物の規制緩和も提案した。
 提言は「地方創生に向けた需要サイドからの林業改革」。副題を「日本の中高層ビルを木造建築に」としている。企業(施主)、設計者・施工者、自治体・供給者(加工業者・林業事業体・山林所有者)、政府それぞれに対する要望を列挙。4階建て以上の建物の50%が木造化されれば、4000億円近い市場が生まれるとの試算を盛り込んだ。
 施主には、木目が直交する集成材「CLT」の開発や、耐火・耐久性能の向上といった木の効能を理解し、国産材を使うよう求めた。
 設計者・施工者には、▽BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の採用▽木造建築の性能提示▽林業サイクル全般にかかわれる人材の輩出・育成-などを要請。BIMについては、調達工程と連動させた木造建築のモデルや、需給システムの構築を求めた。政府には、火災終了時に主要部分が残るよう求める現行規制を、欧米が採用している待避に必要な1~2時間にあらためたり、CLTの基準強度を制定したりするよう求めた。
 具体化に向け、同日付で高知県と「共同宣言」を採択しており、設計・建築事業者の育成などを進める。会見した隅委員長は「需要サイドから生産者側の改革を進めたい」と意欲を見せた。尾崎正直高知県知事は「林業再生は地方全体の再生になる」と期待を寄せた。

(日刊建設工業新聞様より引用)