経産省、環境省/2050年までのエネ政策で考え方提示/基本計画に反映

 経済産業省と環境省は10日までに、2050年までの国のエネルギー政策の考え方をまとめた。今夏にも決定する政府全体の次期エネルギー基本計画に反映される。
 □経産省、主力電源に再生可能エネを□
 経産省が設置した「エネルギー情勢懇談会」が10日、2050年までの長期的なエネルギー戦略の考え方を提言としてまとめた。11年3月の福島第1原発事故を教訓に新たな電源構成の考え方として、再生可能エネルギーを主軸に原子力への依存度を可能な限り低減させる方針を打ち出した。具体的に数値化した電源の構成割合目標は示していない。
 昨年8月から計9回議論し、提言をまとめた。再生可能エネルギーは価格低下やデジタル技術の発展に伴い、新しい主力電源として期待が高まっていると指摘。地熱や水力など比較的安定した再生可能エネルギーを増強する取り組みや、太陽光など変動する再生可能エネルギーの課題解決を進めるとしている。
 原発は安全を最優先し、依存度を可能な限り低減させる方針を示した。火力発電については、抜本的な脱炭素化や電源転換が実現するまでの「過渡期において化石エネルギー源はなお主力である」と位置付けている。
 火力発電の燃料として二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭を少しずつなくし、ガスに転換する方針を打ち出した。
 □環境省、40年ごろまでに脱炭素技術確立を□
 環境省は2050年を見据えたエネルギー政策について、基本的な在り方をまとめた。再生可能エネルギーの利用拡大や省エネ住宅の普及など通じ、今後20年程度で温室効果ガスを極力排出しない「脱炭素」の技術やサービスを確立させる必要があるとしている。
 再生可能エネルギーの利用拡大では、風力や太陽光、水素などを主力電源にする目標を掲げ、これらのシステムを支えるハード、ソフト両面の基盤整備を推進する必要があるとした。
 このほかにICT(情報通信技術)など、最新の技術や建築物に使う素材を活用して建築物や身近な生活インフラの維持管理をより効率化し、環境負荷を抑える方針も打ち出した。温室効果ガスを排出する事業活動に費用負担を課す「炭素価格制度(カーボンプライシング)」の仕組みも導入するべきだとした。
 いずれも50年までに温室効果ガスの排出量を近年で最も多かった13年比で8割削減するという、政府目標の達成に役立てる狙いがある。

(日刊建設工業新聞様より引用)