自民特命委/所有者不明土地問題で森ビルに意見聴取/六本木ヒルズ例に課題提示

 自民党の「所有者不明土地等に関する特命委員会」(野田毅委員長)は18日、森ビルの担当者から六本木ヒルズ(東京都港区)の再開発で直面した課題についてヒアリングした。竣工までに17年を要した同事業では、所有者不明土地や境界不明土地の課題解決に長期間を要した。こうした経験から、不動産登記情報とマイナンバー制度を連動させるなど、課題解決に有効な方策が提案された。
 六本木6丁目地区が再開発誘導地区に指定されたのが1986年。その時点の権利者数は470人だった。再開発を進める上で、所有者の住所・氏名が変更されたにもかかわらず変更登記が未了などの所有者不明土地があり、画地確定作業が進まなかった。土地調書や物件調書といった都市再開発法に基づく書類が作成できず、事業の進ちょくが滞る原因となった。清算型遺贈に必要な相続登記手続き、遺産分割協議に基づく相続登記手続きにもコストや手間がかかった。
 加えて、地籍調査が進んでいないことによる「筆が閉じていない」「現況に無い道路の曲がりがある」「現況に無い水路がある」「意味不明の線がある」など各種の課題が判明した。
 こうした課題を踏まえ、森ビルの担当者は、不在者財産管理人選任の期間を現状の3~6カ月から1カ月以内に短期化することや、相続登記手続きの迅速化を図る措置を創設することを求めた。地籍調査の強力な推進、国や都による土地買収と官民境界確定手続きの連動などによる課題解決も提案した。
 特命委では、これまでの議論を踏まえて国土交通省から所有者不明土地問題への対応策の方向性が論点として示された。これらを踏まえた議論では、探索に要する時間やコストの問題を指摘する意見が多く、野田委員長は「スピード感が成長戦略につながることを認識すべきだ」と強調した。都市計画決定時点で不明土地の問題にも対応すべきだとの指摘もあった。

(日刊建設工業新聞様より引用)