若築建設/グラブ浚渫工事の環境対策強化/土運船引き付け装置開発、汚濁拡散を低減

 若築建設は、グラブ浚渫工事の新たな環境対策技術として、浚渫した土砂を運ぶ土運船とグラブ浚渫船をワイヤロープで接続する装置を開発した。グラブ浚渫船に取り付ける汚濁防止枠と土運船の隙間が開かないようにできる。汚濁防止枠の外へ落ちる土砂や濁水を減らすことができ、汚濁の拡散防止につながる。
 グラブ浚渫は、グラブバケットで海底を浚渫し、グラブ浚渫船の舷側に接舷・係留する土運船に土砂を積み込む。浚渫すると海水に濁りが発生するため、濁りが拡散しないよう、グラブ浚渫船の船首に汚濁防止枠を設置し、枠内の海底を浚渫する方法が取られる。
 浚渫土砂を土運船に積み込む際、グラブバケットに付着した土砂や濁水が水面に落ちる。汚濁防止枠の幅がグラブ浚渫船の幅と同じであれば、接舷された土運船とグラブ浚渫船、汚濁防止枠との隙間はわずかで、汚濁防止枠の外に落ちる土砂や濁水は少ない。一方、汚濁防止枠の幅がグラブ浚渫船の幅より小さい場合は、隙間が広くなり、汚濁が拡散しやすい。
 そこで、汚濁防止枠の幅がグラブ浚渫船の幅より小さくても汚濁防止枠と土運船の隙間を狭くできる装置を開発した。「ワイヤロープ式・土運船引き付け装置」(特許出願中)の名称で、汚濁防止枠に固定滑車を取り付け、土運船の舷側にレールとレール内を動く移動滑車、ワイヤロープ、汚濁防止シートを配置する。
 土運船を浚渫船に接舷後、ワイヤロープを移動滑車と固定滑車に通し、ウインチに接続する。ウインチでワイヤロープを巻くと、土運船と汚濁防止枠が近づく。浚渫中に土砂の荷重で土運船が沈降してワイヤロープが緩んでも、ウインチでロープを巻き取ることで、土運船と汚濁防止枠の隙間が開かないようにできる。
 グラブバケットが通過する位置に土運船から汚濁防止枠内にシートを垂らすことで、完全に隙間をなくすことも可能という。土運船のデッキ上の艤装は、舷側のわずかなスペースで済み、安全通路を大きくふさぐことがないため、係留作業などに支障が出ないのも特徴だ。
 国土交通省四国地方整備局発注の「東予港中央地区岸壁(マイナス7・5メートル)築造等工事」(愛媛県西条市、工期16年3月18日~11月30日)に導入し、効果を確認した。グラブ浚渫工事に広く適用し、施工中の環境保全に役立てていく。

(日刊建設工業新聞様より引用)