財務省/新規公共投資、費用対効果で厳選を/PPP・PFI拡大も要請

 財務省は、17年度予算の編成をにらみ、社会資本整備に充てる公共投資の「選択と集中」をより徹底する方針を打ち出した。柱は、新規投資を民間投資の誘発効果や運用効率の高い事業に重点化することと、PPP・PFIのさらなる導入拡大。大部分のインフラを所管する国土交通省に対し、新規事業採択時に算出する費用対効果の高い事業に投資を集中することや、すべての国管理空港に公共施設等運営権(コンセッション)を導入することなどを求めた。
 20日に開いた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、今後の公共投資の方向性を示した。国交省にさらなる選択と集中を求めた背景には、財政状況が厳しい中で公共事業費の増額が難しい事情がある。
 今後の新規投資では、国交省が新規事業採択時に算出する費用対効果(B/C)の比較的高い事業を厳選し、低下傾向にある費用対効果の底上げも図る。
 基幹インフラの道路と河川の費用対効果の平均値を見ると、道路は3・1(05年度)から2・0(15年度)、河川は8・6(同)から7・2(同)へと10年間でそれぞれ下がっていた。
 公共事業へのPPP・PFIのさらなる導入拡大も求めた。すべての国管理空港にコンセッションを原則導入することを提案。下水道分野では施設管理者の地方自治体が行う改築費に対する財政支援でコンセッションの検討を要件にするとともに、下水汚泥の固形燃料化などを行う「汚泥有効利用施設」の新設についてPFIの導入を原則化する必要性も指摘した。
 財務省は、国交省にこれらの提案項目を打ち出した理由の一つとして、国交省の労働需給調査で今年に入ってから建設技能労働者の不足率が再び上昇してきたことを指摘している。ただ、東日本大震災以降に年間で最も高い不足率となった毎年夏ごろの数値を比較すると、主要6職種の不足率はピークだった13年9月の3・9%から直近の今年8月は1・2%にまで改善。業界側も供給力に不安がないことを強調している。

(日刊建設工業新聞様より引用)