賃貸併用住宅事業に参入相次ぐ


注文住宅メーカーが事業領域を拡大


トヨタホーム(名古屋市)や日本ハウスホールディングス(東京都千代田区)など注文住宅を主力事業にするハウスメーカーが、賃貸併用住宅事業に参入した。
人口減少で個人住宅市場の縮小が見込まれる中、賃貸住宅事業にも領域を拡大したい考えだ。
国土交通省が公表している持家の年間住宅着工件数は、2015年以降30万戸を割る状況が続いている。

トヨタホーム(名古屋市)は9日、賃貸併用住宅の新商品『エスパシオ・ウィズメゾン』を発売した。
賃貸併用住宅を商品化したのは初めてで、同事業に本格参入したことになる。
賃貸事業を強化する一環で、商品ラインアップを拡充したい考えだ。
首都圏の一都三県、愛知、大阪などの販売店が取り扱う。

モデルプランとして打ち出しているのは、建築面積152㎡の3階建てだ。
1、2階が賃貸住宅で、1LDK2戸とワンルーム3戸で構成する。
3階は4LDKのオーナー宅だ。
参考価格は1坪当たり75万円~。
販売目標は年間30棟を見込んでいる。
同社では「低金利を背景に不動産投資への関心が高まっている。商品化によって都心部で生活する顧客に、賃貸併用住宅を提案していきたい」とコメントする。

注文住宅など年間1000棟以上を受注する東証一部上場の日本ハウスホールディングス(東京都千代田区)は、昨年専門部署を立ち上げ賃貸併用住宅の事業拡大を図っている。
昨年11月、1棟目のモデルハウスを東京都練馬区に開設し、首都圏を対象エリアに営業活動を本格化した。
モデルハウスはすでに都内で3拠点に増えている。
19年10月期には、賃貸併用住宅事業で、全売上高457億円のうち3%を占める目標値を掲げている。
同社広報担当者は「賃貸併用住宅事業は新たな成長の柱ととらえている。都市部で自宅の建て替えを検討している人などに提案していきたい」と語る。

ハウスメーカーは賃貸併用住宅を老後の私的年金を得られる手段として、訴求している。
家賃収入を得ることで、ローン負担を軽減できたり、高品質の住宅を建てることができる点も含めて、有効な資産活用として提案している。

すでに賃貸併用住宅を売り出している企業も、新商品で事業拡大を狙う。
大和ハウス工業(大阪市)は16年11月末に低層住宅の提案を強化するため、2階建ての新商品を発売した。

ミサワホーム(東京都新宿区)は1月2日、5階建て賃貸併用住宅のモデルハウスを東京都墨田区に開設した。
重量鉄骨造の中層住宅『URBANCENTURY(アーバンセンチュリー)』シリーズの第二弾だ。
多世代住居型の住宅で、浸水被害を抑える防水シートや、災害時用の備蓄に利用できる大型収納空間を備えた点を特徴にしている。
1階の賃貸住戸は単身男性向けのワンルームだ。
同シリーズの第一弾モデルハウスは16年1月に開設した。
これまでに1000組を超える来場者が訪れたことから、賃貸併用住宅のニーズの高さを実感しているという。
販売エリアは一都三県に加え、茨城県と群馬県が対象だ。

(全国賃貸住宅新聞様より引用)