近畿整備局、日建連関西ら/土木とAI検討委が発足/土木工事での活用方策や課題調査

 土木建設業界における人工知能(AI)活用の可能性を産学官で検討する「土木とAI検討委員会」が20日に発足した。近畿建設協会が事務局を担当し、大阪市中央区のOMMビル内で初会合を開いた=写真。近畿地方整備局や日本建設業連合会(日建連)関西支部、建設コンサルタンツ協会(建コン協)近畿支部などが参画。委員長には大西有三京都大学名誉教授が就任し、副委員長には幹事長を兼ねて小山倫史関西大学准教授が就いた。おおむね3年間でディープラーニング(深層学習)に用いるビッグデータの収集・検討をはじめ、AIプロトタイプの作成と評価、AIの可能性の調査・検討を行う方針。
 土木業界では、AIの活用に向けた取り組みが始まっているが、根幹技術となるディープラーニングの学習アルゴリズムの作成などはソフトウエア業者といった外部に頼る部分が大きいために、ブラックボックス化する可能性が指摘されている。
 また、コンピューターが学習データを機械学習するAIは、自らデータの特性を見つけ出すことで答えを導き出すものであり、用意したデータの質や量によっては的外れな結果や偏った答えを出力する可能性もある。その都度、外部業者にアルゴリズムの修正や追加のデータ学習を依頼すれば、追加の費用が発生し、AIを普及させる上での障害になるリスクもある。
 学習アルゴリズムはさまざまなソフトウエアが一般に公開されており、高速処理できるパソコンがあれば、誰もが容易にAIを作ることができる環境にある。
 このため、土木に関わる技術者が基礎知識の学習から取り組むことで、AIの特性やどのようなアルゴリズムで作られているかを理解でき、必要に応じてカスタマイズできる程度の知識を身に付けることで、土木業界でのAI活用性の可能性を検討する委員会を立ち上げた。
 委員会では、AIの基礎学習段階として外部講師の講演などを行いながら、プログラム言語を活用した事例作成からスタート。ディープラーニングに用いるデータの収集・検討として、▽トンネル岩判定と坑内計測データ、切り羽前方探査の記録▽路面下空洞情報など、過去の調査資料▽斜面防災点検の結果など▽そのた有用と考えられるもの-を想定して行う。
 さらに、これら収集したデータの中からAIプロトタイプの作成と評価を実施。AI技術を習得し、収集したデータと新たなデータを用いて各分野におけるAIの可能性を調査・検討する。
 委員は、井上智夫近畿整備局企画部長をはじめ、日建連関西支部の土木工事技術委員会や建コン協近畿支部など17人で構成。下部組織に幹事会を設けている。大学は京都大学、岡山大学、広島大学、関西大学から学識者が参画している。
 初会合では、委員長を選任した後、霜上民生近畿建設協会理事長があいさつし、大西委員長がAIの現況を説明した。
 続いてコマツスマートコンストラクション推進本部の小野寺昭則副本部長が「建設現場のIoT・スマートコンストラクションのご紹介」をテーマに講演。AIのデモンストレーションも行った。

(日刊建設工業新聞様より引用)