連載/実録・鉄筋EXPO2017(上)/語り、見せ、楽しむイベント

 ◇世界初の博覧会開かれる
 「鉄筋EXPO2017」(主催・鉄筋EXPO2017実行委員会)が24日から26日まで、千葉市の幕張メッセを会場に行われた。世界初の鉄筋に関する博覧会には、約130の企業や団体が参加し、鉄筋に関する最先端の技術・サービスを紹介した。鉄筋業界の未来を語り、職人の技を見せ、そして来場者参加型で鉄筋を楽しむ。そんな趣向で繰り広げられた3日間のイベントをリポートする。
(「鉄筋EXPO」取材班)
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 「鉄筋に関わるすべての人に、鉄筋に関するすべてを発信し、日本の技術を世界にも発信する」
 24日の開会式で実行委員長の館岡正一全国鉄筋工事業協会(全鉄筋)副会長はこう述べ、全鉄筋、日本鉄筋継手協会、全国圧接業協同組合連合会、普通鋼電炉工業会の共催、さらに多くの後援を得て開催できたことに感謝の意を示した。
 実行委を組織したのは16年7月。毎月打ち合わせを重ね、企画を練り上げた。企業・団体が新製品などをPRするブースを開設し、ステージを使った行事として初日が「鉄筋の現状と未来」を関係者が語り合うシンポジウム、2日目が第2回全国鉄筋技能大会(TETSU-1グランプリ)、3日目がクイズ大会や結束リレー選手権など参加型のイベントを展開することにした。
 初日のシンポジウムでは、千葉大大学院工学研究院融合理工学府建築学コースの和泉信之教授をコーディネーターに、鉄筋メーカー、設計者、総合建設業、鉄筋工事業、継ぎ手工事業、検査業のそれぞれの立場で登壇者が意見を出し合うパネルディスカッション「鉄筋の現状と未来-これからの10年を見据えて」を行った。
 和泉教授が最初に、他産業と比べて建設業従事者の減少と高齢化の割合は高く、鉄筋業の将来を見据えると、「生産性の向上と施工品質の保証がキーワードになる」と討論の視点を提示した。
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 各パネリストの意見表明では、普通鋼電炉工業会鉄筋棒鋼技術委員長の大橋茂信氏(所属会社・東京鉄鋼)が「生産性向上に寄与する製品・工法の開発を進めていきたい」、日本建築構造技術者協会会長の森高英夫氏(安井建築設計事務所)が「BIMで配筋の状況も簡単に確認できる。情報化が大きな変革をもたらす」、日本建設業連合会の草地裕一氏(大成建設)が「合理的な管理体制や新たなユニット工法を構築する必要がある」と述べた。
 全鉄筋青年部会代表幹事の赤澤栄徳氏(赤澤鋼業)は「単価ではなく、対価をもらう仕組みにしなければならない」と指摘。「良い仕事をした者が適切な賃金をもらえるビジネスモデルを構築することが必要だ」と訴えた。全国圧接業協同組合連合会青年部会長の足立真規氏(太陽圧接)、鉄筋継手検査業協会理事の前川真一氏(ダンテック)もそれぞれの立場で意見表明した。
 生産性向上の一方、「いくら合理化が進んでも、人を育てる重要性は変わらない」と、これまで同様、人材育成が欠かせないと指摘する意見もあった。

(様より引用)