道路・鉄道整備ー経済成長に寄与、裏付け/京大・藤井聡教授らが先進各国比較研究

 欧米の多くの先進・資本主義国で、道路や高速鉄道の整備が国内総生産(GDP)の成長に寄与していることが、藤井聡京大教授(内閣官房参与)らが行った「経済成長とインフラの整備水準の関係性に関する国際比較研究」(2015年)で明らかになった。欧米の先進各国に比べて交通インフラ整備が低水準にある日本が経済成長を果たすには、道路・鉄道の質的・量的な拡張への投資が必要なことが裏付けられたと藤井氏らは指摘している。
 研究では、先進・資本主義国やそれ以外の経済協力開発機構(OECD)または主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)加盟国を対象に、▽自動車1台当たり総道路延長▽自動車1台当たり高速道路延長▽人口1人当たり総鉄道延長▽人口1人当たり高速鉄道延長-を指標にして比較分析を行った。
 このうち、先進・資本主義国では、03年と13年を比較したGDP成長率と、総道路延長、総鉄道延長、高速鉄道延長には正の相関関係があるとの結果が示された。日本の状況を見ると、他の先進・資本主義国と比べて総道路延長や総鉄道延長が低水準にあり、それと連動する形でGDP成長率も低い水準にとどまっている。
 自動車台数に応じた道路の整備や人口に応じた高速鉄道の整備がGDPの成長に寄与することを裏付けており、藤井氏らは経済成長には道路・鉄道への投資が極めて重要だとしている。
 日本の交通インフラが低水準にある理由について藤井氏は、他の先進諸国では人口分布にかかわらず整備が行われているのに対し、日本は人口の多い東京を中心に投資が行われてきたことを挙げており、「道路や鉄道のネットワークを見ればその違いは一目瞭然だ」と強調。今回の研究結果も踏まえれば、道路・鉄道の整備では質だけを追求するのではなく、同時に量的な拡張に向けた投資を行うことが、日本経済の成長、国力の向上に大きく寄与していくことになると主張している。

(日刊建設工業新聞様より引用)