鉄道総研/コンクリ橋梁の津波対策で被害予測判定法実用化へ/河川対策に応用も

 鉄道総合技術研究所は鉄道施設の津波対策として、コンクリート橋梁の津波被害を事前に予測する判定法の実用化に乗りだした。独自に考案した波力の算定手法を用いた判定法を、鉄道事業者向けに展開しながら導入を推進。判定結果を優先的に対策が必要な橋梁や対策工の選定に活用することで、事業者側の対策強化を促す。津波対策のほか、近年の気象変動で多発する河川増水対策への応用も進める。
 海溝型地震に伴う大規模津波の発生が危惧される中、津波被害とその復旧を考慮した鉄道橋梁の耐津波設計法の確立が求められている。津波が橋梁に作用する波の力の算定手法は、これまで国の土木技術基準類が整備されず、津波による橋梁の被害判定ができなかった。
 新たに開発した「津波に対するコンクリート橋梁の被害判定法」では、想定される津波の波高と流速、対象橋梁の情報などを基に、大規模津波がコンクリート橋梁に作用する波力を独自手法で算定。橋脚や支承の耐力を踏まえて津波による桁の流出や橋脚の破壊など、被害の有無を判定する。40分の1スケールの橋梁を模擬した水理実験により、被害判定法の実用性などを確認している。
 判定結果に基づき、桁の流出防止や橋脚の補強などより適切な橋梁の補強工法を選定できる。鉄道総研では既設橋梁の桁の流出対策として、PC鋼材で桁と橋脚を連結する工法も開発済み。さまざまな形状・寸法の橋梁に適用でき、地震の揺れに対する落橋防止装置(サイドブロック)とともに波の力に抵抗し、桁の流出を防ぐ。
 実物大スケールのコンクリート橋梁(長さ30メートル、高さ1・8メートル、幅5・7メートル)を想定した実験結果によると、東日本大震災で発生したとされる津波(波高20メートル、流速毎秒6メートル)に相当する力(約1100キロニュートン)に対して、同工法で補強された桁の変位を20ミリ以下に抑えた。
 鉄道総研は実験結果などをアピールしながら、同工法の実用化を推進する。道路橋への適用も可能なため、道路管理者への提案活動も積極展開する。

(日刊建設工業新聞様より引用)