長岡技科大、新潟県ら/下水施設未利用エネで植物生産/長期・安定供給を実証

 長岡技術科学大学、新潟県、東亜グラウト工業などで構成する研究グループは、下水処理施設で発生する多様な未利用エネルギー・資源を植物生産に長期、安定的に使えることを実証した。新潟市西区の西川浄化センターで4日に開いた研究成果報告会で明らかにした。今後は野菜生産者と連携し、冷熱と温熱、二酸化炭素(CO2)を回収・再利用できる同センターの実証設備で、商業化に向けた研究に入る。
 共同研究は16年にスタートした。下水処理施設に豊富に存在するものの、使わずに捨てられていた冷熱などを身近な資源ととらえ、農業生産に生かすのが狙い。民間からは東亜グラウト工業、高砂熱学工業、積水化学工業、大原鉄工所が参加する。
 同センター(処理能力1日当たり3・6万立方メートル)を実証の場とし、冷・温熱ハウス(140平方メートル×2棟)、採熱ヒートポンプ装置(50キロワット)、バイオガス発電機(50キロワット)、CO2分離装置(1時間当たり0・5N立方メートル)などの実証設備を設置。冷熱ハウスでわさびといちご、バイカモ、温熱ハウスでは熱帯植物などを栽培し、16年6月からデータを取得し解析していた。
 最も気温が上がる8月に冷熱を1日当たり860メガジュール、12月には温熱を同1020メガジュール供給した。わさび栽培では12度の水に浸る清流環境を再現し90株を成育、いちごは冷熱を使い促成栽培した。
 熱帯植物を栽培する温熱ハウスでは冬季栽培環境を構築したほか、CO2を高濃度に維持し成長を促進。研究グループは2年間の実証研究で、長期、安定的に下水処理場の未利用エネルギー・資源を複合的に回収し、農業生産で再利用できたとしている。
 同センターの下水熱賦存量は1日当たり95ギガジュール(放流水から1度回収)あり、損失なく利用できた場合、わさびの栽培可能株数は2万4000株、ハウス環境構築可能棟数は93~250棟と試算する。
 今後は、植物工場を手掛けるクリーンリード(新潟県長岡市)と同センターの実証設備で栽培環境を構築し、葉物野菜を栽培する予定だ。エネルギー回収装置の改良、メンテナンス技術の確立なども合わせて進める。

(日刊建設工業新聞様より引用)