関東整備局/鬼怒川緊急対策プロの現場公開/堤防復旧・整備が順調に進ちょく

 関東地方整備局は14日、15年9月の関東・東北豪雨による水害を教訓に茨城県内で進めている「鬼怒川緊急対策プロジェクト」の現場を報道機関に公開した。堤防の決壊箇所などの再度災害防止や円滑な避難に向けたソフト施策などを一体的に展開。今年5月までに34件の工事が完成し、地域からは安全・安心が高まったことへの感謝の声が上がっている。
 関東整備局下館河川事務所が、鬼怒川下流域の延長44・3キロ区間で事業を進めている。決壊箇所の堤防復旧や漏水箇所への対応は既に完了。大規模に水があふれる溢水(いっすい)被害が起きた常総市若宮戸地区(延長約940メートル)と下妻市前河原地区(約790メートル)では堤防整備の2期工事に入っており、9月の完成予定だ。
 このほかの溢水箇所を見ると、結城市上山川地区は築堤(約240メートル)の1期工事や堤防基盤整備(約430メートル)などが進行中。常総市向石下地区でも、築堤護岸工事(約230メートル)などを展開。残る筑西市の船玉地区と伊佐山地区では地元調整を進めている。
 常総市三坂町周辺(約3キロ)では、完成済みの緊急復旧工事などに続いて7工区で築堤を施工中で、9月までの完成を見込む。同プロジェクト関連で計26件の工事が動いており、このほかに7件の工事が契約手続き中だ。
 建設現場の生産性向上策i-Constructionも積極的に導入。関東整備局の発注者指定型ICT(情報通信技術)活用工事で初弾となった常総市国生地区の築堤工事(約660メートル)は、今月12日に完成検査が終わった。「盛り土を始めたら(施工スピードは)速い。順調にいった」(同事務所)という。10日には地元住民向けの見学会が開かれ、子どもを含む約120人が参加し、共に完成を喜んだ。
 今後は、河川管理用通路などをサイクリングロードとして整備し、地域のにぎわい創出などにつなげる「かわまちづくり」も具体化させていく。「みんなでタイムラインプロジェクト」などソフト施策にも力を入れている。
 同事務所の里村真吾所長は「地域の方々の協力により、堤防などを速やかに造ることができている。一方で、『堤防ができたから大丈夫』と思われることが非常に怖い。ソフト施策も丁寧にやっていく」と話している。

(日刊建設工業新聞様より引用)