阿蘇神社(熊本県阿蘇市)、清水建設/災害復旧工事を公開/楼門解体が本格化

 阿蘇神社(熊本県阿蘇市)と清水建設は、熊本地震により被災した同神社の楼門や社殿など国指定重要文化財6棟の災害復旧工事現場を報道機関に公開した。全壊した楼門は銅板屋根の剥ぎ取りを終え、屋根を支えていた部分の本格的な解体を進めており、損壊した神殿群も修理に着手した。解体した部材は再建に使用するため、熟練の宮大工の手により慎重に作業が進められている。国庫補助による復旧工事として2022年度の完了を予定している。
 清水建設が施工する「重要文化財阿蘇神社一の神殿ほか5棟保存修理工事(災害復旧)」の対象は1840年から1850年にかけて建てられた楼門、一の神殿、二の神殿、三の神殿、環御門、神幸門。いずれも木造で規模は延べ881平方メートル。昨年秋に着工した。設計・監理は文化財建造物保存技術協会が担当。全壊した重要文化財の解体工事を担当するのは同社では初めてという。
 楼門は入母屋造、空破風、2階建てで高さ約18メートル。二重門として九州最大規模を誇る。敷地の内側にいったん移動させた上で昨年末までに素屋根で覆い、1月に上層から順に解体に着手した。銅板屋根の剥ぎ取りが終わり、現在は小屋組みと呼ばれる屋根を支えていた部分の材料の解体を進めている。
 部分解体修理を行う神殿は損壊の激しい三の神殿の部分解体・修理に着手しており今後、二の神殿、三の神殿でも作業に入る。骨組みに付随する造作部分を解体し、骨組みを露出させた上で柱の傾きや造作部材の再利用の可否、補修の必要性などを調査。必要があれば柱を建て起こし、建具の建て付け調整、造作部材の復旧を行う。門は本柱と屋根部の間に組み込まれていた部材が脱落したため、屋根をジャッキアップして補修・組み直しを行う。
 重文のため、造営当時の姿に戻すこと、伝統構法を踏襲すること、できるだけ元の部材を再利用することが求められている。そのため、解体した部材には一つ一つ番号を付けて境内に新設した保存倉庫にすべて移し、再利用できるか部材の損傷状況を調査している。
 同社では「神社の祭事のスケジュールを守りつつ、伝統木造技術の粋を結集して復旧・復興に尽力していく」としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)