静岡県建設業審議会/担い手確保へ提言書提出/発注・施工の平準化やICT積極活用を

 静岡県建設業審議会(会長・磯辺剛彦慶大大学院教授)は20日、建設産業の担い手確保に関する提言書を村松篤交通基盤部長に提出した。入札・契約制度の改善など四つを柱に、現状と課題、今後の方向性などを審議。直ちに実施すべき取り組みとして、生産性向上やコスト削減につながるICT(情報通信技術)活用工事の推進、適切な工期設定や設計変更を確実に行うため職員研修の充実などを挙げた。建設企業の収益力アップと中山間地域の建設企業の存続・育成は今後、さらに検討が必要とした。
 同審議会は11年11月、建設産業の活性化に向けた方策を「静岡県建設産業ビジョン」として策定。その後、施策の取り組み状況や今後の方向性をフォローアップとしてまとめた。今回の提言書は、同ビジョンやフォローアップで示した方策のうち、喫緊の課題となっている建設産業の担い手確保に関する方策について15年3月から集中審議した内容を取りまとめた。
 審議の柱は、▽過剰供給構造の是正▽建設産業の再生▽入札・契約制度の改善▽災害対応力の向上-の4点。社会保険等未加入対策や技術者不足に対する懸念、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)など担い手3法などに対する行政や建設業界の取り組み状況や課題を洗い出し、今後の方向性を示した。
 建設産業の再生では、行政側が直ちに実施すべき施策として、発注・施工時期の平準化、高校生や進路指導教師を対象とした戦略的広報活動、表彰制度の周知をはじめ誇りとやりがいを持てる環境整備など、企業側は週休2日制度など労働条件の改善、資格取得支援など従業員の技術力向上と離職防止、ICT活用工事の積極導入による収益力向上などが必要とした。
 入札・契約制度では、週休2日制工事や工事着手日選択型工事の拡大、若手技術者育成や女性技術者登用に関する入札制度の改善、市町の総合評価方式の導入拡大、工期設定や設計変更に適切、確実に対応するため職員の能力向上を行政側に求めた。
 技術力のある建設企業が適正な利潤を確保し安定経営を実現する仕組みとして、▽発注の平準化による計画的な経営環境整備▽マネジメントができる一定以上の規模を持つビジネスとしての企業経営▽品質(技術力)による公正な競争の促進-などを提案。中山間地域で活躍する建設企業が将来にわたって存続できる仕組みづくりと併せ、今後さらに検討が必要だとした。

(日刊建設工業新聞様より引用)