飛島建設/発破超低周波音制御装置開発/16ヘルツ以下の消音に効果

 飛島建設と建設資材商社の藤崎商会(広島市中区、藤崎和彦社長)は19日、山岳トンネル工事の発破掘削で発生する超低周波音の制御装置を開発したと発表した。一端を開口、もう一端を閉口とした中空の管(音響管)による共鳴現象を利用し、16ヘルツ以下の超低周波音を効果的に消音する仕組み。山口県長門市で施工中の長門俵山道路大寧寺第3トンネル北工事(中国地方整備局発注)での実物大実験では4ヘルツ付近の超低周波音で約6デシベル、8ヘルツ付近では約12デシベルの消音効果を確認した。
 発破の際の爆破エネルギーに含まれる超低周波音は、周辺に建具や窓ガラスなどの揺れを引き起こすなどの影響を与えるため、発破の際の苦情の主要因となっている。だが、超低周波騒音は透過性が高く、山岳トンネル工事の騒音対策として一般的に使用される防音扉や防音壁では、十分な低減効果を得ることができていない。
 開発した「TBIレゾネータType-F」は、従来は対策が難しかった16ヘルツ以下の超低周波音の消音に効果を発揮する。幅5・4メートル、高さ4・5メートルの架台の周囲に厚さ3・2ミリの鋼板製の音響管を設置。音響管の開口部から入射した音波は閉口部で反射して開口部に戻るが、この反射した音波は入射する音波と逆位相になるため、互いに打ち消し合う。この共鳴現象を利用し、超低周波音を消音する。
 消音効果を得るためには、音響管を適切な位置に配置する必要がある。このため、音響管を設けた架台はレール上に設置してトンネル縦断方向に動かせるようになっており、消音効果を最大限に発揮できるように配置を調整することが可能だ。
 大寧寺第3トンネル北工事での実物大実験では、対象周波数を4ヘルツと8ヘルツに限定して、音響管を4ヘルツ用と8ヘルツ用それぞれ5本を設置。一般的に音響管開口のトンネル断面に対する面積比が大きいほど、消音効果が大きいが、実験では面積比各5%で消音効果を検証した。
 坑口から11メートルの地点に設置した防音扉の坑口側に隣接してTBIレゾネータを配置し、坑口から5メートル地点の音圧レベルを計測。設置後は設置前の2倍の装薬量で発破したにもかかわらず、4ヘルツ付近は設置前の約121デシベルから約115デシベルに、8ヘルツ付近では約112デシベルから約100デシベルに音圧レベルが低減した。
 今後は、対象とする周波数の拡大とともに、面積比の増大による消音効果の増幅を目指して研究を進める。さらに気温などによる波長の微妙な変化に対応できるよう、音響管延長の自動調整機能も開発を計画している。
 近く、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)への登録を申請し、登録後は藤崎商会からリースする予定。北海道新幹線やリニア中央新幹線を中心とした山岳トンネルへの導入に向け、積極的に提案する方針だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)