首都高速会社/道路インフラの高度管理システム、17年度から運用開始へ

 ◇AIエンジンで予測保全も
 首都高速道路会社は、道路インフラのライフサイクル(LC)全体を、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの最先端技術を組み合わせて高度管理するスマートインフラマネジメントシステム「i-DREAMs」の運用を17年度から開始する。システム全体のビジョン策定と各工程で導入するシステム構築を進めており、維持管理分野での先行導入を予定。宮田年耕社長は「既に要素技術はいろいろな段階で試験的に使用しており、本年度は全体の試行を行い、来年度から本格運用に入る」と話している。
 i-DREAMsでは民間企業などと開発したGIS(地理情報システム)と3次元(3D)点群データを活用した道路・構造物の維持管理業務の支援システム「インフラドクター」をはじめ、ICTを用いた新技術を組み合わせ、調査・設計から施工、維持管理に至るLC全体の関連情報を統合管理。各工程での判断・分析に必要なデータを素早く確認し、維持管理計画の作成を支援する。開発投資額は1億数千万円を見込む。
 損傷推定AIエンジンを中枢としたシステムに点検データやセンシングデータ(点群情報、近赤外線情報などひび割れ自動検出情報)、その他データ(構造物諸元、図面データ、交通量データなど)を入力。随時更新される各種データを基にAIエンジンが学習し、損傷、補修・補強候補を自動検知する。対話形式でエンジニアの判断を支援し、維持管理の効率化を図る。
 各工程での導入効果として、点群データで設計することで、現状(寸法や付属物の配置など)に合った構造検討が可能。システム上で検討資料を確認でき、大規模更新工事や補修補強工事の一部でシステム検証を実施している。
 GISプラットホームから構造物の管理に必要な全データベースにアクセスでき、総合的な視点からの診断・評価が行える。
 測定した点群の相対変位によって構造物の変状を抽出し、接近が困難な箇所も含めて構造物の変状、浮き・剥離などを定量的に把握することが可能だ。
 点群データから任意断面のCAD図や3D解析モデルを容易に作成でき、従来8日を要した図面作成時間を1・5日に短縮。劣化診断や予測解析の高度化を実現する。
 先進的な維持管理の取り組みとして、AIエンジンを用いてセンシングデータや交通量などの環境条件データから構造物の劣化・進展状況を推定した上で、補修時期や補修工法の決定を支援する。コンクリート内部の鉄筋腐食や中性化、塩害など、構造物の損傷具合の予測結果を踏まえ、予測保全を実現する。

(日刊建設工業新聞様より引用)