首都高速会社/高度管理システム、タイでも展開/現地モデル開発へ、官学連携で研究

 首都高速道路会社は、道路インフラの維持管理業務を高度に管理・支援するシステム「インフラドクター」の海外展開に本格着手した。タイの高速道路公社(EXAT)が管理する道路構造物を対象に3次元(3D)の点群データを11~12月に計測・収集した。技術協力先の大学やEXATなど現地の官学関係機関と協力・連携し、現地の環境・ニーズに適した簡易システムの構築に取り組む。
 グループの首都高技術と民間2社で共同開発したインフラドクターでは、GIS(地理情報システム)プラットフォームと、MMS(レーザースキャナー搭載車両による測量システム)で取得した3D点群データを組み合わせ、点検や設計、施工計画の検討など、道路構造物の維持管理を高度・多面的に支援する。首都高グループでの利用のほか、国内外で道路構造物を整備・管理する事業者へのサービス提供や普及活動にも力を入れる。
 海外展開では、高速道路の管理主体すべてと技術協力の覚書を結んだタイを中心に、インフラドクターの現地モデルの構築に取り組む。15年12月にインフラドクターの現地仕様の技術協力で覚書を交わしたタイのタマサート大学シリントーン国際工学部との研究体制により、まず18年をめどにタイ版のシステムの機能の絞り込みと設計を完了させる考えだ。
 EXATが管理する構造物のデータ計測については、経済産業省の補助事業の一環で実施。バンコク中心部で政府開発援助(ODA)によって約30年前に整備された斜張橋のほか、市街を通る高架橋(PC橋、鋼橋)、ジャンクションの土工部などの3D点群データを取得した。17年3月までに画像の補整を進め、日本版のシステムを用いて計測結果の中間報告をまとめて現地関係者向けにセミナーを行う。
 日本とは気候や交通環境など計測条件が異なる点も多く、効率的により高精度に計測できる方法の確立や、現地仕様のデータ・サービスの提供などを課題に挙げる。
 首都高速会社の担当者は「構造の大半が高架橋を占めるなど、EXATが管理する高速道路は首都高と類似する点が多いが、供用年数は20年ぐらい若く、まずは簡易版のモデルを提案しながらメンテナンス業務の重要性を訴えていく」と話している。

(日刊建設工業新聞様より引用)