高砂熱学工業/規模・業容拡大に向け新規事業加速/エネ運用など2分野を本格展開

 高砂熱学工業は、空調分野の技術やシステムを異なる分野の新製品・サービス開発に展開する取り組みを本格化する。保有技術・システムの有効活用を図ることで、業容拡大につなげる。4月に機構改革を実施し社内体制を強化。対象となる製品・サービスが展開可能な市場の調査や具体的な方法などを詰め、収益基盤の底上げを目指す。
 取り組みの柱になる技術・システムは、海産物の鮮度を保つシャーベットアイスの製造装置「SIS-HF」と、ビルや工場などで最適なエネルギー運用を実現する「GODAクラウドサービス」の二つ。
 SIS-HFは、水産物流通施設向けに海産物の鮮度を保つシャーベット状の氷を製造する。冷凍機と熱交換器とで0度以下まで液体状態で冷やされた過冷却状態の海水に超音波で振動を与えて過冷却状態を解除し、シャーベット状の氷を製造する。シャーベット状の氷は一般的な氷と比較して溶けやすく、冷熱を放出しやすいのが特徴で、海産物の鮮度を長時間保てる。
 この装置を市場展開するたため、同社は4月に「環境ソリューション事業推進部SIS事業部」を新設。これまで5人ほどだった体制を見直し、増員を図りながら営業体制の強化を図る。今後、漁業協同組合や水産加工などの水産関係者や物流事業者向けに営業活動を展開。23年度に売上高10億~20億円を目指す。
 GODAクラウドは、ビルや工場などの二酸化炭素(CO2)排出量削減を可能するクラウド型のエネルギー分析サービス。専門の担当者がエネルギー使用量や空調設備などの運転データを分析し、ビル管理者に省エネ提案などを行うことで、施設全体で効率的な省エネを実現する。短期的にはエネルギーコストの削減が見込める。収集したデータと人工知能(AI)などと組み合わせることで、より高度な空調制御や省エネ対策の実施も可能になると見ている。
 サービスの本格展開に向けて、4月にFM(ファシリティーマネジメント)・PM(プロパティーマネジメント)事業推進部を国内事業統括本部傘下の組織に変更し、事業執行体制を強化する。19年度に500施設との契約を目指す。
 17年4月から3カ年の中期経営計画では「成長に向けた変革の断行」をスローガンに掲げた。空調設備工事という本業の幹を太くしながら、第2、第3の柱を創造。新事業の芽を生み育てて経営基盤を強化する。保有する技術やシステムをより広範に活用することで、資産の有効活用を狙う。

(日刊建設工業新聞様より引用)