鴻池組/異形断面対応の水中掘削機開発/自動化オープンケーソン工法向け

 鴻池組は、大深度硬質地盤掘削技術の自動化オープンケーソン工法(SOCS)に使用する水中掘削機を改良し、異形断面に対応できる新型機を開発した。ケーソン平面が長方形、楕円(だえん)形、小判形といったさまざまな異形断面に適用できるようになったほか、機械の耐水性も向上。さらなる大深度地下構造物築造への適用を可能にした。
 自動化オープンケーソン工法は、ケーソンの内壁に取り付けた走行レール上を掘削機が移動しながらケーソン刃先直下地盤を水中掘削する工法で、国土交通省の総合技術開発プロジェクトで開発された。ICT(情報通信技術)による無人化施工を実現。安全・確実・高精度で経済的に硬質地盤にオープンケーソンを沈設できる。この工法でオープンケーソンの適用範囲(平面規模、深度、対象地盤)が飛躍的に拡大。現在まで最大外径35メートル、最大深度73・5メートルの施工実績がある。
 今回の水中掘削機の改良は、適用できる平面形状の拡大と作業の効率化が目的。従来は掘削機の水平走行軌跡が単円のため円形断面にしか対応できなかったが、掘削機の走行レール把持機構を可動タイプにし、任意の走行レール曲率への対応を可能にしたことで、平面が円形以外の異形断面にも適用できるようになった。用地の制約や利用目的のニーズに柔軟に対応しやすくなる。
 さらに、機械の耐水性能をアップ。従来は水深100メートル(耐水圧1・0メガパスカル)が限界だったのを、120メートル(1・2メガパスカル)まで適用可能にした。適用躯体の壁厚を従来の最大2・5メートルから3・5メートルに拡大。ブーム・アーム部材を長くしても掘削効率が低下しないよう、掘削トルクを従来機より2割向上させたことで、異形断面を含め、さらなる大深度地下構造物の築造への適用を可能にした。
 ソフト面ではICTを駆使し掘削面の3次元表示を導入。掘削地盤を可視化することで、作業の効率化と作業員の負担軽減を図った。
 今後、機材センターで実地盤を掘削する最終作動確認を行い、実工事に備える。今回の水中掘削機は日立造船が製作した。

(日刊建設工業新聞様より引用)