鹿島、演算工房/山岳トンネル向けガイダンスシステム開発/発破後の残地山を効率把握

 鹿島は10日、ソフトウエア制作の演算工房(京都市上京区、林稔社長)と共同で、山岳トンネル工事の発破掘削後、設計断面内に残った地山(アタリ)を効率良く把握できるシステムを開発したと発表した。高速3次元(3D)スキャナーで計測した切羽形状の点群データと設計断面のデータを重ねて比較し、アタリがある箇所を視覚化する。従来の目視による確認に比べ安全で、アタリの把握からブレーカーで除去するまでの作業時間が、約3分の2に短縮できる。
 「アタリガイダンスシステム」は、鹿島が開発した高速3Dスキャナーを使用する。地山の剥落が起きても安全な距離からスキャナーで切羽形状を計測。30秒程度で計測結果をタブレット端末に表示する。設計断面のデータには、ロックボルトの位置を表示しており、これを目安にすることでアタリ箇所も容易に特定できる。
 国土交通省東北地方整備局発注の「宮古盛岡横断道路新区界トンネル工事」(岩手県宮古市~盛岡市)に同システムを適用した。従来通り目視で確認した範囲と比較すると、アタリの把握から除去に伴う作業時間は約3分の2に短縮。吹き付け材料の消費量も約15%低減できたという。
 鹿島は山岳トンネル工事の安全性と生産性の向上を目指し、同システムを積極的に活用する。並行して作業の大幅な省力化・自動化に向けた技術開発も進める。
 山岳トンネル工事の掘削作業では発破後の地山の形状に凹凸が生じ、掘削面にアタリ箇所がないかどうかを発破ごとに判断する。一般的に目視で確認・判断するためアタリ箇所の見落としが出てしまうほか、地山を必要以上に除去した場合にはサイクルタイムや吹き付け材料のロスにつながる。発破直後の緩んだ切羽近くで確認するため、岩塊の剥落などによる被災懸念もある。

(日刊建設工業新聞様より引用)