鹿島/トンネル覆工コンクリ打設の新工法開発/型枠三つを交互使用、毎日の打設可能に

 鹿島は3日、トンネル覆工コンクリートの品質向上と高速施工を両立させる新しい工法を開発したと発表した。三つの型枠(フォーム)と移動台車(ガントリー)を使うことで、十分な養生期間を維持しながら、毎日の打設サイクルを実現。岩手県釜石市で施工中の延長3000メートル級の長大トンネル「国道45号唐丹第3トンネル工事」(発注者=国土交通省東北地方整備局)に初適用した。
 同社は11年に、二つのフォームと一つのガントリーを使う「ツインアーチフォーム(TAF)工法」を開発した。2日に1回の打設サイクルを維持したまま、型枠存置時間を66時間以上確保できるのが特徴で、これまでに8現場に適用している。長時間の初期養生により、コンクリートの強度増進や表層の緻密化を図り、長期耐久性を向上させるなど成果を上げている。
 このTAF工法にフォームを1基追加したのが、今回開発した「トリプルアーチフォーム(TrAF)工法」。唐丹第3トンネル工事では、当初からTAF工法を導入していたが、全体工程のさらなる短縮を目指し、TrAF工法に切り替えた。適用期間は4カ月(実施区間約950メートル)。
 TrAF工法では、前々日に打設した第1フォームを脱型した後、養生中の第2、第3フォームの下をくぐって前方へ送り出すことで、覆工コンクリートの打設サイクルを上げてもTAF工法と同等の型枠存置時間(60時間)を確保することが可能になった。これにより、打設サイクルを毎日にしても、TAF工法と同等の初期養生効果を得ることができるという。
 この現場では、1カ月当たり最大で270メートル程度の掘削距離を確保したまま、TrAF工法による覆工工事の高速化も図った。週5日(完全週休2日)の稼働で毎日のコンクリート打設を実現し、覆工工事の最大月進288・19メートル(12・53メートル×23日)、平均月進250メートルを達成した。
 適用当初は昼夜2班の施工体制としていたが、作業員の習熟度が高まったこともあり、途中で昼間のみの変則シフト(1・5班体制)に変更した。
 トンネルは延長2998メートル、幅員12・0メートル。設計掘削断面積は109・0~126・3平方メートル、内空断面積は94・9平方メートルの規模。工期は14年3月~17年8月。

(日刊建設工業新聞様より引用)