鹿島/建機自動化システムの開発加速/神奈川県小田原市に実験フィールド開所

 鹿島は、建設機械の自動化システム「クワッドアクセル」の開発を加速させる。神奈川県小田原市にある同社機械技術センターの隣接地に、開発技術を検証する実験場「西湘実験フィールド」を開所した。広さは約2ヘクタール。従来の実験は施工中の建設現場で現場作業に支承を及ぼさない範囲に限定されていたが、フィールドの整備により、自動化技術の対象作業や機種を広げた実験を自由に行うことが可能になる。
 同社が開発を進めるクワッドアクセルは、汎用の建設機械に衛星利用測位システム(GPS)やジャイロ、レーザースキャナーなど計測装置や制御装置を搭載し、建設機械の自動運転を実現する。
 従来のリモコンなどによる遠隔操作とは異なり、人がタブレット端末で作業指示を出すことにより、複数の建設機械が自律的に判断し、作業を行う世界初の技術として注目を集め、16年度の土木学会賞技術開発賞や第19回国土技術開発賞最優秀賞を受賞している。
 15年に五ケ山ダム建設工事(福岡県)で自動振動ローラーを実用化するとともに自動ブルドーザーの実証実験を行った。17年には大分川ダム建設工事(大分県)で、ダンプトラックの導入試験を実施。運搬・荷下ろしから、ブルドーザーによるまき出し、振動ローラーによる転圧までの一連の土工作業の自動化の流れを確立した。
 20日に報道関係者らに西湘実験フィールドが公開され、自動ダンプトラック、自動ブルドーザー、自動振動ローラーの3機種連動によるデモンストレーション作業が行われた。
 開発を率いる同社の三浦悟機械部自動化施工推進室長兼技術研究所プリンシパル・リサーチャーは「キーワードは『建設現場を最先端の工場へ』。建設機械の自動化により、作業の安全性を高め、省人化も図れる。次世代の建設生産システムとして開発を加速させたい」と話している。
 今後、環境変化に応じて柔軟に運転操作を行う自律型自動運転機能などの精度を高めるため、実大規模での要素技術の実証を進める。18年度からは、小石原川ダム本体建設工事(福岡県)に実証成果を導入し、現場検証を行っていく。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と「遠隔操作と自動制御の協調による遠隔施工システムの実現」をテーマとした共同研究を予定しており、月や火星に拠点を建設する技術の開発も進める。

(日刊建設工業新聞様より引用)